アシスタント6年…“出戻り美容師”がHの人気ヘアデザイナーになるまで -美容師ステップアップー
サロンワーク・バトルを勝ち抜き、エイチで美容師に復帰
美容師に復帰したきっかけは、専門学校の同級生との再会です。たまたま渋谷に遊びに行ったときに、モデルハントをしていた王子田(現H本店店長)と出会い、近況を話すと「美容師やりたいなら1カ月後にウチを受けない?」と言ってくれたんです。
ところが、Hは同級生からの紹介だからといって、すんなり入れるサロンではありません。もう一人の希望者と、サロンワークでバトルをして、最終的にスタッフの投票が多かったほうが入社できる、という試験を受けました。
Hはカジュアルで楽しい雰囲気のサロンなので、前のサロンとはまったく接客スタイルが違います。当時の店長から「このままじゃ負けるぞ」と脅されて尻に火が付いた僕は、必死になってお客さまに話しかけて、わずか1票の差でHの一員になることができました。
Hに入ってからは、シャンプーから再出発です。前のサロンと仕事の進め方も違うから、当然だと思っていました。そして、前のサロンで3年、Hで3年のアシスタント生活を送り、ようやくデビューできました。ずいぶんと時間はかかりましたが、無駄な時間はなかったと思っています。
技術にとことん厳しい環境で基礎を学び、短い期間でしたがファッション業界の最前線に身を置くこともできました。今の環境では、美容師としてのスキルをイチから磨きなおすチャンスをもらい、カラー指名と新規紹介率No1のデザイナーになることができました。どの経験が欠けていても、実現できなかったと思います。これからも目の前のできごとに全力でぶち当たり、やれることを全部やって自分だけの新しい道を切り開いていきたいと思います。
◆転職活動中の美容師へメッセージ◆
もし、あなたが美容師を続けるのか、それとも辞めるのか、悩んでいるとしたら、僕は「続けたほうがいい」とアドバイスします。一度美容師を辞めて、半年も経つとその生活に慣れてしまい、美容師に戻りにくくなるからです。「悩んでいる」レベルなら、今の環境で美容師を続けてみてください。きっと次の展開が待っています。
- プロフィール
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H eitf
ヘアデザイナー/Goro(ゴロー)
静岡県出身。国際文化理容美容専門学校の国分寺校を卒業後、表参道のヘアサロンで美容師生活をスタート。スタイリストデビューの前にキャリアプランに迷いが生じ、アパレルの道へ。半年間働いたのち、専門学校の同級生だった王子田隼人さんの誘いがきっかけで、美容師を再開。現在、H本店でカラー指名&新規紹介率No1のヘアデザイナーとして活躍中。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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