アシスタント6年…“出戻り美容師”がHの人気ヘアデザイナーになるまで -美容師ステップアップー

 

原宿の人気店H(エイチ)で活躍中のGoroさんは、アパレルブランドで働いていた経験がある“出戻り美容師”。一時期美容から離れたこともあり、デビューまでは通算6年かかったそうですが、その6年に無駄な時間はなかったと語ります。そもそも、なぜ美容師を辞めたのか、そしてなぜ美容師の世界に戻ってきたのかなど、Goroさんが今に至るまでのストーリーを話していただきました。

 


 

上昇志向の美容学生、はからずもシャンプーの達人になる

 

「美容師をするなら、東京で勝負したい」と思い、高校卒業後に静岡から上京しました。進学先は国際文化理容美容専門学校の国分寺校。渋谷校ではなく国分寺を選んだのは、渋谷という街にビビッていたから。野心はあるんだけれど、ちょっと腰が引けていました。

 

でも、美容師として成功したいと気持ちに噓はなかったし、学生時代はモチベーションの高い同級生にも刺激されて、かなり上昇志向でした。就職先を決めるときも、一秒も迷わず、表参道界隈のサロンに絞り込んでいたんですよ。

 

就職したのは、当時南青山にあったサロンです。そこは洗練されたセンスと、極上のおもてなしで、感度の高い人たちに支持されていました。完全予約制で妥協のない施術を提供しつつ、サロンのスペースを貸し出して展示会を開くなど、アートやクリエイティブの要素がとても強いところでしたね。学生時代、僕はセンスを磨くために美術館に頻繁に足を運んでいたし、雑誌よりもデザインのエッセンスが詰まった洋書を読むのが好きだったので、そのサロンは理想的な環境でした。

 

 

そこで僕は、徹底的に美容師の基本を叩き込まれました。カラーやパーマの基準が高いのはもちろん、「シャンプーの椅子を倒すところから空間づくりがはじまるんだよ」と言われて、テストに合格した後も3年間、毎日のようにシャンプーのチェックを受け続けたんですよ。なので、「僕はこのエリアで一番、シャンプーがうまいかも」と本気で思っていました。

 

ちなみに、Hに入ってからも、シャンプーの指名をいただいたことがあります。前のサロンでお世話になった方で、なんと広島からお越しくださったんですよ。感激しましたね。

 

デビュー直前、美容師を辞めてファッション業界へ転身

 

 

最初のサロンでは、シャンプーにはじまり、すべての技術において極めなければならないため、「いつになったらデビューできるのだろう…」という不安がいつもありました。そのころ、お客さまがプロデュースしているアパレルブランドのお手伝いしていたこともあり、美容師としての自分に見切りをつけて、アパレルブランドでお世話になることにしたんです。

 

僕が美容師を辞めたことを知った専門学校の同級生は、自宅に押しかけてきました。「これからどうするの?」「ブランクできたら戻れないぞ」とか、僕のことを思って真剣に話してくれました。実は僕も、美容の世界から離れたことで、「やっぱり美容が好きなんだ」と気づいていたんです。

 

ブランドのオーナーに素直な気持ちを話すと、美容師に戻ることを応援してくれました。でも、わずか半年間でしたが、服づくりに関われたことは幸せでしたね。

 

 >バトルを勝ち抜き、美容師に復帰

 

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