約10年の下積み後にデビューした元理容師が今思うこと
お客さまがきてくれる…ただそれだけで幸せ
スタイリストになったのは30歳を超えてからです。でも僕は集客があまり得意ではなく、新規客にも入れなかったので、アシスタント時代と大差のない毎日を過ごしていました。
そんなある日、尊敬していたサトーマリが独立すると知りました。サロンの立ち上げから関わることができる機会はそうそうありません。だから、ぜひ一緒にやらせてほしいと相談したんです。ずっとサトーマリのそばで、長い下積みでも腐らずにやっていたことが評価されたのだと思います。代表の加藤にもすぐに合わせてもらい、「自分たちが培ってきた技術を表現するために、あえて表参道や原宿以外のエリアで表現したい」というビジョンに共感し、「自分もその中でやっていきたい」と想いを伝え、メンバーに加えてもらったのです。
オーナー夫妻より先に、プレオープンというカタチで、僕ともう一人のスタイリスト、一人のアシスタントの3人体制で営業していたこともあります。めちゃくちゃ大変でしたが、お客さまがきてくださって、忙しくできること自体がうれしくて仕方がなかったです。その喜びは、オープンして1年半経った今も続いています。
自分の予約が詰まっていると、それだけで幸せな気持ちになります。フリーのお客さまにも入らせてもらい、少しずつ顧客も増えています。今、毎日感謝しながら働くことができるのは下積みがあったからだと思います。そう考えると、長い下積みも悪くはなかったかもしれません。もう戻りたくないですけれど(笑)。
◆転職活動中の美容師へメッセージ◆
振り返ると、理容師から人気サロンへの転職は、かなりハードルが高いものでした。それでもダメ元で入りたいサロンに飛び込んでよかったです。僕のようなケースもあるので、入りたいサロンがある人は電話するとか、オーナー指名で予約するとか、なにかしらのアクションをしたほうがいいと思います。今ならSNSからアプローチしてみるのも一つの手かもしれません。とにかくアクションを起こしてみてください。
- プロフィール
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SiiKA(シーカ)
STYLIST/島田 新(しまだあらた)
千葉県出身。国際理容美容専門学校理容科卒業。都内の理髪店1店舗を経て、原宿の有名サロンに転職。約半年面貸サロンで勤務したのち、 「SiiKA」オープニングスタッフとして参加。現在はスタイリストとして手腕を発揮しつつ、下積み経験を活かしアシスタントの指導にも取り組んでいる。
http://siika.tokyo/
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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