ぬるま湯は嫌い…スタイリストの肩書を捨てて再出発

転職で7年間の経験値がリセットされるわけじゃない

 

 

アシスタントとして再出発した僕は、年下の先輩にもしっかり敬語を使い、誰からの指導も素直に受け入れました。ただし、前のサロンのお客さまがきてくださったので、普通のアシスタントとは違ったかもしれません。SNSなどで僕の居場所を調べて、見つけてくださったんですよ。自分のお客さまがいらしゃったときは、前のサロンと同じように施術していました。

 

そして、約1年半のアシスタント生活を経て、二度目のスタイリストデビュー。前のサロンのお客さまや、フリーのお客さま、友人・知人など、大勢の方が僕の元にきてくださいました。アパレルや美容関連の仕事をしているファッション感度の高い方など、デザインにこだわりがあるお客さまが多く、求められる仕事のレベルは高いですが、だからこそ僕は燃えますね。

 

念願だった雑誌やヘアカタの仕事も経験することができ、自分の名前を世の中に知ってもらう機会が着実に増えました。デザイン性の高さをウリにしているサロンなので、メーカーさんからの依頼で外部セミナーを開くこともあります。総店長と一緒に、全国各地を飛び回っているんですよ。さらに2年前からは副店長になり、店舗運営や採用など責任のある仕事を任されています。

 

僕はぬるま湯が嫌いで、常に難しい課題と向き合って成長できる環境が好き。だから今のサロンは、自分にぴったりだと思っています。これからも背伸びして、新しいチャレンジを重ねていきたいです。

 

 

◆転職活動中の美容師へメッセージ◆

転職する前に、新しい環境で何を求めるのか明確にしたほうがいいです。たとえば、自分の作品をメディアに出したいのなら、それができる環境にいかないと意味がありません。転職後は、郷に入っては郷に従え。新人に戻ったつもりで、そのサロンの仕事の進め方を素直に受け入れることが大事。ときには悔しい想いをするかもしれませんが、それをバネにしてやればいいんですよ。

 

プロフィール
blast
副店長/国分 魚生(コクブン ナオ)

埼玉県出身。高山美容専門学校を卒業後、都内の地域密着型サロンに就職。約7年在籍し、サロンの主要メンバーの一人として活躍。その後、デザイン勝負のサロンで力をつけてメディアへの露出もはかりたいという想いから、代官山のblastに転職。アシスタントから学び直し、1年半でスタイリストに昇格。現在は副店長として店舗マネジメントや後輩の指導、採用活動、セミナー講師など幅広く活躍している。

 

(取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

 

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