戦略的なモデハンと♯いなヘアーで転職後も集客いらず
FBで打診し、有名店出身の二人組の独立に合流
今はSNSが強い時代だと思います。自己プロデュースができないと、新規のお客さまを呼べません。だから僕は、Instagramに割と早くから着手して、髪の赤みを除去した外国人風の「#いなヘアー」を推していました。そのおかげでInstagramがきっかけのお客さまが多いんですよ。
お客さまや仲間の後押しもあり、2015年のAR-1グランプリでグランプリをいただくこともできました。おかげさまで美容師として順調に進んできていたので、前のサロンを辞める必要はなかったと思います。
ところが、apishの本田さん、NORAの片山さんという憧れの美容師二人が独立すると知って、居ても立っても居られず、Facebookから「ぜひお会いしたい」というメッセージを送ってしまいました。それまで面識がなかったので、突然の連絡に二人とも驚いたと思います。
面談のときは緊張していて何を話したか覚えていません。でも途中からお酒も入り、和やかな場になりました。ちなみに、後日聞いたのですが、テーブルの上にお酒が出ていたら採用OKのサインだったそうです。
そんな経緯で、LONESSのオープニングから合流することに。前のサロンでは、お客さまに退職を伝えられないままだったので、新天地で集客できるか不安でした。でも9割くらいのお客さまがSNSで僕のことを見つけてくださったんです。稲用という珍しい苗字に助けられた部分もあると思います。
オープンから半年たって、前のサロンよりも売上があがるようになりました。代表の二人と、アシスタントのつなぎ役となって、LONESSを最高のサロンにしていくことが今の目標です。
◆転職活動中の美容師へメッセージ◆
僕は直感を頼りに転職しました。人によっては無謀に見えるかもしれないけれど、あのときに決断していなければ、LONESSのオープニングに合流して、尊敬する人たちとサロンをつくる経験はできなかったと思います。ですから、これを読んでくださっているみなさんにも、「ここだ!」と感じたタイミングで、新しい環境に勇気をもって飛び込むことを勧めたいです。
- プロフィール
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LONESS スタイリスト
稲用 直希(いなもち なおき)
山口県出身、ハリウッドワールド美容専門学校卒業。都内有名店2店舗を経てLONESS入社。サロンワークを軸にしながら、業界誌や一般誌の撮影でも活躍。Instagramで、日本人独特の髪の赤みを除去したアッシュ系カラー「#いなヘアー」が、反則級のモテ髪として人気を博している。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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