新規指名No.1の「豹柄美容師」誕生前夜
airの面接帰り、電車の中でリクエストQJナビを見る
ちょうどSNSが普及し始めた頃、僕はweb上のコンテストに参加していました。そんな時、初めて木村に会う機会があり、挨拶させていただいたのですが、iPhoneをさっと出して、僕の作品について「ココとココはいいと思います。でもココは甘いので、こうするともっと良くなると思いますよ」と初対面でいきなりアドバイスしてくれたんですよ。めちゃめちゃ驚いたし、それがうれしくて。それからというもの、木村のセミナーに参加するときはいつも一番乗り。この人の下で働きたい、airで働きたい、という気持ちがどんどん膨らんでいきました。
そんなある日、父が56歳で他界。いろいろと考えさせられました。そして、「人生は一度しかない。悔いのない生き方をしよう」と決意。前のサロンにはしっかりと筋を通し、退職の手続きを済ませ、退路を断ちました。身辺整理をしたあと木村に相談すると、「ついにその日がきましたか」と言って、面接の場をつくってくれたんです。
面接ではいきなり副社長から「中村君、うち今ね、中途はいらないんだよ。だから僕らがキミと一緒に働きたいと思わなきゃ、採用する必要性がない」と言われて、頭の中が真っ白に(笑)。面接では足が震えていたし、何を話したか覚えていません。
落ちたと思ったので、帰りの電車では、放心状態でリクエストQJナビを見ながら、転職先を探していました(笑)。ちなみに後日、「合格です!」という連絡が、木村のTwitterから届きました。それが採用通知の代わり。木村らしいなと思いましたね(笑)。
入社後は驚きの連続でした。見たこともない売上のスタイリストばかり、技術のレベルが高い、「人」に対する想いが半端じゃない。そして、その環境の中で、「今までの自分のやり方では銀座では勝てない」と実感しました。でも、そんな中で木村が常にご予約が埋まっていたんですよね。新規のお客さまの数もすさまじいものがあるんです。なにより木村のブログを見てくる新規のお客さまは、初対面なのに親しみの気持ちを持ってご来店されるし、関係性ができている。すごいな、と思って参考にしました。
ブログをやると決めたものの、最初はどんな情報を発信したらいいかわからなかった。でも、「ボブ」には自信があったから、奇をてらうことなく、普段僕がボブのお客さまに伝えているアフターカウンセリングの情報を載せました。それが多くの方々に届き、今では新規指名No.1につながっています。
今ではブログの読者さんも増えて、お客さまにも恵まれていますが、僕はまだまだ未熟。心の底から「マジですげえ」と思える先輩たちに囲まれながら、この環境で人間を磨いていきたいと思っています。そして、木村に影響されて僕が変わったように、いつか自分も若い人に影響を与えられるような存在に、またそういった人を輩出していき、airの要となれるように、頑張りたいと思います。
◆転職活動中の美容師へメッセージ◆
誰でも人生は一度きり。後悔しない選択、生き方をしてほしいと思います。個人店にいくか、大型店にいくか。もしくは面貸や業務委託など。転職や独立だけでなくフリーと言う選択もある。学校卒業してすぐにフリーランス美容師や独立という方法もある時代です。選択肢は本当にたくさんある。だけど、どれを選択するのかはあなた次第。何が正解か、何が不正解か僕には判断できませんが、みなさんが後悔しない選択をして、幸せな美容師人生を送られますように。
- プロフィール
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air-GINZA スタイリスト/中村 有佑
京都府出身。京都美容専門学校卒業。1年間の家業を手伝ったのち、京都市内の美容室に就職。25歳から店長などの要職をつとめ、東京での新店舗立上げをおこなう。SNSを通じてairの木村氏と出会い、多大な影響を受け転職を決意。「豹柄美容師」を自ら名乗るブログが人気を博し、ファンも多い。新規指名air No.1。
http://air-nakamura.tokyo/
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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