アメリカ帰りの‟出戻り美容師“赤坂で花を咲かす
お客さまがついているのに…心は満たされず
1年間のアシスタント生活を経て、スタイリストデビュー。徐々にお客さまがついてきて、傍からみたら順調だったと思います。でも僕の中には、「これでいいのかな…」という気持ちがずっとありました。
やはり言葉の問題があるので、お客さまの要望をしっかりくみ取れているかどうか不安でしたし、「もっとかわいくできるんじゃないか」とか「この程度の技術でいいのか」とか感じることもあり、自信がなかったんですよね。そんなモヤモヤを感じながら2年がたち、「このままではいけない」と思うようになりました。
そんな満たされない気持ちを抱いたまま帰国したとき、DIFINOに顔を見せに行くと、先輩から「中途採用募集しているから一度きてみたら?」と声をかけてもらったんです。先輩は冗談のつもりで言ったようなのですが、僕からしたら願ってもない話。「もう一度、やらせてください」と頭を下げて、復帰させてもらえることになりました。先輩からは「だから、日本で技術を身につけてからのほうがいいって言ったじゃん(笑)」と言われてしまいましたけれど…。
復帰後は、シャンプーをはじめとする全ての技術に取り組む姿勢が変わりました。DIFINOの技術には、一つひとつに「なぜこうするのか」という理由があるから、着実に技術が身につくし、自信がついてくるんです。最大のウリである「Rカット」の凄みを理解したのも、帰国後のこと。海外でハサミを動かしてきたからこそ、そのカット技術の高さが分かりました。
少し遠回りしましたが、今年の4月から、DIFINO akasakaでスタイリストデビューする予定です。国際色豊かな土地柄、ニューヨーク仕込みの英語を活かせるチャンスだと思います。まだまだ未熟な僕ですが、これまでの経験を存分に生かして、世界のお客さまに、DIFINOを知っていただくきっかけを作りたいです。
◆転職活動中の美容師へメッセージ◆
勤めているサロンを離れてはじめて、そのサロンのよさに気づくことはあると思います。とはいえ、「出戻り」は勇気がいりますし、サロン側に断られる可能性もあります。僕がDIFINOに復帰できたのは、恐らく辞めるときに自分なりの筋を通したから。正直に自分の気持ちを話しましたし、辞めてからもFacebookなどで連絡を取れる関係があったから戻れたのだと思います。だから辞め方は大事です。
- プロフィール
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DIFINO
スタイリスト/小嶋 猛(こじま たけし)
新潟県出身。国際理容美容文化専門学校国分寺校卒業。DIFINO入社後、1年1カ月で退社。ニューヨークで美容師経験を積んだ後、再びDIFINOに復帰。2016年3月にオープンしたDIFINO akasakaに異動し、近日中のスタイリストデビューを控えている。趣味はサーフィンとソーシャライジング(英語を使った社交)。
http://difino.com/
( 取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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