「順調は退屈と似ている」 Men’sカリスマの転職論
全ての仕事が上手く回る状態は、なんとなく物足りない
正直、前のサロンにいれば、アシスタントがしっかりしているし、お客さまもたくさん来てくださるし、安泰だったと思います。でも、それじゃつまらない。大変な思いをしてこそ、人は変わると思うからです。
そして次の展開を考えているときに、今のサロンに出会いました。たくさんあるサロンのなかでここに決めたのは、自分に足りない経営や教育などの経験をまんべんなく積めると感じたから。新店のオープニングに店長として参加すれば、自分のアイディアもどんどんカタチにできると思ったんです。
転職組の僕がいきなり店長では、もともと働いていたスタッフが納得しないだろうと思ったので、売上で実力を証明する努力もしました。とはいえ、前のサロンでお客さまを完全に後輩に引き継いでいたので、最初は「やべー、お客さまどうやって呼ぼう…」と思いましたけど(笑)。幸い、僕の連絡先を知っている人や、Facebookを見たお客さまが戻ってきてくれたので、そこからの紹介でお客さまを増やして今に至る感じですね。
有名サロンの肩書を捨てて、「自分なんて大したことなかったんだな」って思うこともあります。でも、「ここから、どうやって這い上がっていこうか?」と考えるのもすごく楽しいというか…。つまるところ僕は、刺激がないとダメな男ってことなんでしょうね。
◆転職活動中の美容師へメッセージ◆
プロのアスリートが次のステージを求めてチームを移籍するのと同じように、美容師も自分の理想の未来に向かうために、どんどん新しい環境に飛び込んで行っていいと思います。大切なのは志(こころざし)。大きな志があればスキルや経験の不足をおぎなえると思います。自分にふさわしいステージを貪欲に探してみてください。
- プロフィール
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NORA Journey
店長/松岡直人(まつおか なおと)
1980年3月5日生まれ/国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業
都内の有名サロンで約13年間活躍。女性のみならず男性向け施術も得意とし、モデル、芸能人、プロアスリートなど各界の著名人からも信頼を集めている。サロンワーク以外でも、整髪料のプロデュースやヘアショー参加など幅広い活動を展開。現在は表参道にあるヘアサロン「NORA Journey」の店長として活躍している。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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