sins日野達也プロデュース【人生を変える酸性ストレート】コロナ禍での挫折、失敗、示談金…どん底から生まれた極上の艶髪再生術!
苦悩の先にあった酸性ストレートという一筋の光
もともとは、酸性ストレートではなく、アルカリ性の薬剤を使った髪質改善を研究していました。アルカリ性の薬剤の仕組みを調べて何度も実験をして感じたのは、できることに限界があるということ。バージンヘアーならもちろん問題ないのですが、ハイライトや白髪染めをした髪にアルカリ性の薬剤を使うのはリスクが高すぎるんですよね。
何か別の方法はないかと模索しているときに出会ったのが酸性ストレートでした。技術としては新しいものではなく、20年くらい前からあったものなんですけれど、ほとんど着手している美容師がいませんでした。地方にいるマニアックな美容師さんが、独自で研究しているみたいな感じで、やったことがあるのは髪質改善を打ち出している美容師の1割にも満たないくらいだと思います。でもアルカリ性ではできない髪質改善も、酸性ならできるんですよ。
どうして酸性ストレートを扱う人が少ないかというと、薬剤の取り扱いが難しいから。独特の匂いもあるから、敬遠されていたんですよね。ちなみに、現在は「タンニン」という消臭効果の強い成分が入っているので臭くありません。
また、酸性ストレートは、アルカリ性の薬剤と施術の方法が全く違い、施術が難しくマニュアル化が難しいんです。アルカリの場合は、pHの数値を見ながら髪の状態を診断しますが、酸性ストレートの場合は指先の感覚勝負になります。かなり集中してやらないとできないので、ガヤガヤしたフロアではやりにくい。マンツーマンでの施術が望ましいと思っています。
新技術にはリスクがつきもの…示談金の支払いも経験
ただ単に酸性ストレートの施術をするのではなく、髪のうねりやダメージの原因を知らないと根本的な解決になりません。なおかつ、どうしてアルカリの矯正ではダメージを与えてしまうのかという理由をすべてピックアップしました。
リトル・サイエンティストなど酸性ストレートの理論や毛髪理論について情報を出しているメーカーがあるのでインプットに役立てて、オンラインサロンなどからも情報を集めました。そうして、ダメージの理由を一つひとつ潰していき、酸性ストレートで髪のダメージを抑えつつ髪質改善ができるようにしていったんです。
机上の空論にしたくなかったので、たくさんの毛髪に触れて実験しました。一つひとつトライアンドエラーで、データを集めていく。髪に入れる栄養を変えてみたり、アイロンの温度を変えてみたり…当然、失敗したこともあります。
クレームをいただいたこともあるし、示談金をお支払いしたことも。それでも、「僕にはもう酸性ストレートしかない!」と思っていました。自信を持って打ち出せるようになるまで1年半はかかりましたね。
お客さまは「最後の頼みの綱」みたいな感じでSNSを見つけてくださった方が多いです。年齢的には40代、50代の大人女性が中心。これからどんどん割合として大きくなる世代です。YouTubeで毛髪理論、髪質改善の理論を丁寧に発信しているのですが、それを見て予約するパターンが目立ちます。それだけ髪の悩みが深いということですよね。