【薫森正義】東京から京都へ。トッププレイヤーの座を40代で手放し、第二の美容師人生を謳歌。プライベートサロンSHI/GEから世界を見る、最強のバランス感覚

 

 

薫森正義(しげもりまさよし)さんと言えば、業界誌や一般誌でもセンスの光るヘアデザインを発信し、業界関係者からの信頼を集める熟練美容師。都内デザインサロンのディレクターとして、連日20〜25人の顧客のみを施術するなど不動の地位を築いていた薫森さんでしたが、昨年その生活のリセットを決意。今年に入ってから新天地の京都に転居し、緑あふれる京都御苑の目の前にプライベートサロン『SHI/GE』をオープンしました。

薫森さんが27年間の東京生活を手放した理由とは? また人生後半戦の働き方、独自のSNSの活用法、これから予定している新たな活動などについて新店舗『SHI/GE』で取材しました。前編・後編でお届けします!

 

 


 

人生後半戦を考えて「リセット」を選択

 

――27年という長い東京暮らし手放すというのは、かなり勇気が必要なのでは…と想像します。ずばり、どのような理由があってその決意に至ったのでしょうか。

 

理由は大きく二つあって、ひとつは40代後半になって挑戦する場所がなくなってきたことで、もっと成長したいという気持ちがあふれたこと。例えばヘアコンテストなどにしても、僕は審査させていただいている側なので、いち美容師として参加しづらいんですねサロンワークで既存のお客さまの予約が常に入っている状態が続くことは、とてもありがたいことです。でも今の自分の技術だけで対応できてしまい、仕事が作業的になっていた気がします。プレイヤーとしてこの先も勝負していくなら、新しいことに挑戦していかないと古くさくなっていくのに、そこに取り組む時間が取れない。このマンネリ化された環境を打破しなければいけないと、漠然と感じていました。



そんなときに、滋賀の実家の父が亡くなったんですよ。もう危ないかもしれないと連絡が入ったのが、土曜日。日曜は予約が入っていたし、月曜日の休日に滋賀に帰れば間に合うかな…なんて思っていたら、日曜に急逝してしまって。そのときに、親の存在を軽々しく考えていたことをすごく反省して、家族をもっと大切にしようと思ったんですね。そこから実家にちょくちょく帰るようになって。もともと実家は先祖代々、長く続く米農家で、父が亡くなってからは兄が中心となり引き継ぎましたが、朝早くから夜遅くまで働く姿を見て、僕も力になりたいと思うようになりました。それで、実家の滋賀からも近い京都をベースにしようと。個人的にやりたいこともたくさんあったので、独立したほうが実現までのスピード感が加速するかなと思いました。





――二つのことが重なった上での結論だったんですね。年齢を重ねていくと守りに入っていきがちですけど、薫森さんはむしろ挑戦をしたかったと。

 

だって人はいくつになっても成長できるんですよ! でも、だいたいの人は「年だから」とか、「家族がいるから」とかいろんな理由をつけて挑戦を止めてしまうんです。若い人たちは怖いもの知らずなぶん、果敢に挑戦するじゃないですか。そうすると、経験を積んできた僕ら世代は知らぬ間に追いつかれて、最終的に越えられちゃうんですね。でも逆に言うと、チャレンジし続ければ僕らは絶対に負けないんです。

 

”挑戦者”でいたいんですよ。過去の栄光にすがるような人間にはなりたくないので(笑)、一度これまでの過去を手放してゼロからやる必要があるなと思ったんです。美容師はフレッシュな存在でいなければ、と思うんですよ。だから、チャレンジしなきゃ。






>京都で新しい挑戦を続々と。次は世界へ!


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