時代遅れの就活本を捨て「自己理解」をはじめよう


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ゴールが決まっていなかったら全力疾走できない

 

「自己理解」が深まってきたら、まず理想の未来を描いて、逆算して次に進むべき場所を決めていきます。

 

仮に、「美容師の生涯価値を高めるために美容業界を変える」という目標を持った人がいるとしますよね。そんな人が、通勤時間や休日などの条件だけでサロン選びをしたら、ゴールにたどり着けるでしょうか。

 

もっと分かりやすくいうと、いつかクルマ屋の社長になりたいという人が、ラーメン屋で修行していたらいつまで経っても夢がかないませんよね。これと同じようなことが、就職・転職の場面で起こっているのです。当面の生活費がほしいとか、しんどいことから逃げたいとか、目先のことを考えているとミスマッチが起こりやすくなります。

 

一方で、具体的に未来を描けていると、仕事への取り組み方が変わってくるものです。私が勤めている会社に中途で入ってきた元アイドルの子は、最初のころは営業成績がさっぱりでした。ところが、「いいお母さんになりたい」という夢のために、「素敵なお母さん像」を細かいところまでイメージできるようになってからは、行動が変わりはじめたのです。

 

まずは彼氏を見つけないといけないということで、毎週月曜日に合コンの成果を私に報告するという、冗談みたいなことからはじめたのですが、将来のゴールが見えたことで全力疾走できるようになり、仕事に取り組む姿勢も変わりました。恋人が見つかっただけでなく、なんと1000人中トップの営業成績を3カ月間獲りつづけたのです。

 

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5年後、10年後のカッコいい自分をイメージしよう

 

将来のことを具体的にイメージできないなら、「偶然を計画する」という方法もあります。元アスリートの私は新卒のころ、優秀な頭脳を持った同期に圧倒されながらも、「体を使う仕事では誰にも負けない」というテーマで仕事に取り組みました。誰よりも朝早く出社し、誰よりもたくさん電話をかけるとか、そういうことを続けていくと、周りに認められて仕事が集まってくるようになるものです。そしてその中から、自分に合うもの、合わないものを取捨選択できるようになると、進むべき道もおのずと見えてきます。

 

将来が見えていないときというのは、就職・転職中にいろいろと考えすぎて悩んでしまうかもしれません。でも、自分の人生を決められる最高のチャンスなのに、悩んでいるなんてもったいない。悶々としている時間があるなら、少しでもコトを前に進めたほうがいいと思います。

 

そして、目先のことばかり気にせず、10年後の自分がどんな風だったらカッコいいか考えて見てください。ワガママに自分の未来を描いてください。「所ジョージさんのような生き方をして世田谷ベースをつくりたい」でもいいです。本気でそれがしたいなら、今やるべきことも見えてくるはずですから。

 

もう一度、自分の気持ちに素直になって、「なりたい自分」を克明に描いてください。そしてそれが見えてきたら、あとは邁進するのみです。それでは、みなさまの就・転職活動の成功をお祈りしています!

 

プロフィール
株式会社インテリジェンス
HITO本部 リクルーティング ディレクター/関西学院大学客員講師
佐藤 裕

外資系人材ビジネス関連企業にて営業やキャリアコンサルタント、人事研修・採用部を経験。2007年に株式会社インテリジェンスに入社し、様々な企業の採用に携わる。現在は自社の採用活動に従事するほか、講義・講演や面談を通じて年間2万人以上の学生と出会い、キャリアや就職活動についてメッセージを発信している。

 

 (取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

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