スタッフとの距離感は「木の上に立って見る」くらいがちょうどいい。 改善を繰り返してきた内部育成の方法とは? ―10年サロン「S.HAIR SALON」のブランディングストーリー後編

未来 見守り成長期

スタッフの成長に合わせてトライし続ける。けれど、最初に目指したことは変えない

 

 

子どもが幼稚園に通っていたとき、園長先生がこんなことを言ったんです。「“親”という漢字は“木の上に立って見る”と書く。親から子への距離感はそのくらいがちょうどいいんです」と。

 

それを聞いて、会社や組織も同じかもしれないと思いました。人を成長させるには、きっとそのくらいの気持ちで見守るほうがいいんですよね。最初のころは僕に余裕がなくてなかなか見守ることができずにいましたが、今は慣れてきて、できているかもなと思います。スタッフを見守れるようになったのは、15年の経営の中で、僕が成長できたことの一つです。今は経理も含めて、得意な人がいればその人に任せるようにしています。僕よりも才能やセンスがある人がいればその人にお願いしたほうが、ミスも少ないしスピードも速いですから。

 

スタッフが成長してきてからはずっと上り調子で、現在は経営も安定しています。

今の店の規模感も気に入っているし、その前の店も大好きでした。やみくもに大きくしていくつもりはありませんが、スタッフの成長に合わせて僕自身も経営者としてトライし続けないといけないなと思っています。

 

とはいえ、基本は「自分が行きたいと思うサロン」を作り続けることに変わりはありません。基本に忠実でありながら、みんなで楽しく働けて、美容師としても人としても成長できるサロンを、これからも作り続けていきたいと思っています。

 

 

プロフィール
S.HAIR SALON
代表/植田高史(うえだたかし)

人気絶頂期に、1年間海外へ放浪。その後2003年外苑前に「S.HAIR SALON」をオープンさせ、2010年に表参道へ拡張移転。サロンワークを中心にファッション誌や広告撮影・プロダクト開発などでも活躍。顧客だけでなく、同世代の美容師、編集者からも慕われている。

(取材・文/小沼理 撮影/河合信幸)

 

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