既存のルールをやめ、美容室をエンタメに! 業界にイノベーションを起こしたい—10年サロン「NORA」のブランディングストーリー後編
12年目〜 目標積み上げ期
中長期の目標はいらない。目の前のことを確実に積み上げていく
今は経営も安定し、地元の大阪や海外にも店舗を出店することができました。そして今年度からは組織の体制も大きく変えました。僕が今やっているのは「ファンタジー事業部」という、おもしろいことをとにかく発信していく事業部。新しい提案をどんどん仕掛けていくことで、興味を持った人がお店にきたり、プロジェクトに加わったりしてくれます。
『NORA』がスタートしたのはまだスマホもない時期。当時は集客といえば雑誌でしたが、そこからホットペッパーが主流になり、今ではInstagramも集客ツールの一つになっています。年月が過ぎれば集客同様、ビジネスモデルも、ライフスタイルも、どんどん変わっていきます。変化に合わせた提案を常にし続けるためには、お客さまの声をしっかり聞く必要がある。そして未来は予測できないから、今を一生懸命やるしかありません。
僕、中長期の目標ってあんまり興味がないんですよ。
大きな目標を立てると、それに引っ張られて身動きがとれなくなったり、時代が変わっているのに的外れな目標になってしまうこともありますから。それよりは、1年先くらいの近い未来を考えて目の前のこと一つひとつを積み上げていくほうがいい。これからもおもしろいことを積み上げていきたいと思っています。
(取材・文/小沼理 撮影/河合信幸)
- プロフィール
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NORA
代表/広江 一也(ひろえかずや)
1974年生まれ。奈良県出身。高校卒業後、大手建設会社の基礎工事部門で勤務。関西美容理容専門学校(現グラムール美容専門学校)を経て都内有名店に入社し、10年勤務。店長などの要職を経験後、独立して表参道に「NORA」を設立。2013年に「NORA Journey」をオープンさせ、2014年には青山で「NORA」の拡張移転を果たす。2017年にはフィリピンへの出店し、2018年は大阪に「NORA MARCHE」をスタートさせた。