既存のルールをやめ、美容室をエンタメに! 業界にイノベーションを起こしたい—10年サロン「NORA」のブランディングストーリー後編

2014年〜2016年 経営不安定期

不動産屋から契約更新拒否。ギリギリの中でも「今以上の物件」にこだわった理由

 

 

2013年はニューブランド『NORA Journey』を出店して、外からは好調に見えていたと思います。実際、「勢いあるね」とよく言われていました。でも、現実は自転車操業で、いつ潰れてもおかしくない状況だったんです。

 

店をスタートさせるとき、税理士さんから「3年、5年、7年、10年で必ず死にかける時期がくるよ」と言われていました。なぜかというと、その時期にビジネスモデルが変わるから。3年経てば生活環境やライフスタイルも変わるし、5年、10年となればもっと大きく変わりますよね。その変化に対応しようと会社が大きく揺れ動くのがこの時期なのだそうです。

 

『NORA』を振り返ってみると、3年で店舗を拡張移転して死にかけて、5年で『NORA Journey』をオープンして死にかけて…(笑)。まさにその通りだなと思いました。

 

そんな中、2014年にはまた大きなターニングポイントがありました。2009年から本店が入っていた表参道の店舗に、契約見直しの時期がきたんです。

 

更新してもらえるだろうと思い連絡をしたら、なんと「家賃を3倍にする」と言われてしまいました。契約当時はリーマンショックの影響を受けて少し安くしてもらっていましたが、それでも3倍はとんでもない金額です。つまり、暗黙で「更新はできない」って言われたんです。

 

それを言われたのが5月だったので、契約が切れる11月には店を出ないといけません。店がなくなって、当時のスタッフ30人を路頭に迷わせることになってしまうと思うと焦りました。

 

必死に物件を探して、次に見つけたのが現在の店舗です。125坪とこれまで以上に広くなりました。広すぎるからか、坪単価はそこまで高くなく、運よく条件がマッチしたため、2014年の9月に移転となりました。

 

現時点でギリギリなのに、「また大きくしたの?」と思う人もいるかもしれませんが、そこは僕の意地なんです。それまで調子に乗っていたので、縮小すれば「失敗したな」と思われる。それは嫌だったし、外側だけでも成長の軌跡を描きたかったんです。

 

移転してからも、またコツコツと新人を教育して、彼らがデビューして…の繰り返しです。2009年から2014年までは経営の危機に見舞われては、スタッフのがんばりで持ち直す、ということの連続でした。

 

>野心復活! 2017年に広江さんの気持ちを変えた大きなターニングポイントとは?

 

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