スタッフの退社を機に、アクセルを深く踏んだ。8年目の2店舗目出店—10年サロンMAGNOLiAのブランディングストーリー後編
11年目〜 ブランディング更新期
デザインブランディングはスタッフの手に。僕の役割はサポーターへ
僕の中では12年が一区切りだと感じていて、それまでにあと1年半くらいあります。残りの期間に何があるかはわかりませんが、この10年でいいことも悪いことも一通り経験したように思います。
売上の上下、スタッフの退社、お金がある、ないも経験し、教育方法や集客に四苦八苦もしました。次のクールもこの繰り返しなんでしょうね。
ブランディングという点では、パーマが軸という部分はブレずに引き継ぐことができています。ただスタッフの年齢層も幅広くなり、デザイン統一ができていないのが今の課題。「大人の女性をきれいにする」という当初のコンセプトをブラさないほうがいいのか、変化していっていいのか。
今は軸さえブレなければ、見せ方は変わっていってもいいのかなというほうへ傾きつつあります。ターゲットが若くなっていってもいいし、大人のジャンルがもっと強くなってもいい。それを決めるのは今中心となっているスタッフの舵取りに任せたほうがいいのかもしれません。それもモチベーションの1つになるでしょうしね。
こういうふうに言えるくらい僕もかなり軟化しましたし、スタッフも成長しました。
これからの僕の役割はサポーター。一線を退くという話ではなく、押し上げる役割という意味です。ベーシックを自分が教えているのもその一環ですし、教育の方法や人の率い方も伝えていかないといけません。
そして大切なのが、今いるスタッフたちの暮らしが充実する母体づくり。みんないろいろな夢や、やりたいことがあるでしょうが、それで豊かな暮らしを実現できるのか。ただの自己満足にならないように、そっちの舵取りをしていきたいと思っています。
- プロフィール
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MAGNOLiA
代表/MARBOH
茨城県出身。表参道の有名店ANTIで小松利幸氏に師事。2008年に5月に独立し、東京・表参道に「MAGNOLiA」をオープン。2016年、2店舗目をオープン。特にパーマ技術に定評があり、サロンワークを中心に講習、セミナー、専門誌、一般誌の撮影など幅広く活躍。
(取材・文/福田真木子 写真/河合信幸)