貯金の底も見えた「MAGNOLiA」のオープン秘話—10年サロンのブランディングストーリー前編

2011年〜2014年 スタッフとの対話期

WEB集客をきっかけにスタッフとの関係性が変化

 

 

震災を経て4年目に入った『MAGNOLiA』は新規のお客さまが増え、客足が絶えないお店になっていました。チラシを配った近隣の方や、紹介のお客さまが徐々にきてくださるようになったんです。

 

しかし、お店が形になりはじめると、また新しい課題が表出してくるものです。

 

ちょうどそのころWEBでの集客が一般化してきて、サロンの中でもWEB集客に力を入れたほうがいいのでは、という声が上がるようになりました。僕としては集客を強化するのも大事だけれど、美容の本質は技術。まずは上手くなるために、技術に取り組もうというスタンスだったんです。でも彼らの言うこともわかるし、集客が弱いというのも事実。そこで足りていない部分を補うという意味でも、WEB集客に着手しはじめました。

 

とはいえ僕1人では、わからないことが多かったんですよ。スタッフの知恵や情報が必要になり、そこではじめてスタッフとの対話が生まれました。

 

それまでは技術を教える側と教わる側という一方通行だった関係性が、僕も彼らに教えてもらったり、意見を聞いたりする機会ができた。

 

ホームページをつくり直したり、口コミを意識した対策をしたり…。そんなことをやっている間にカットの1つでも上手くなったほうがいいんじゃないかなぁなんて思ったりしつつも(笑)、スタッフに任せる部分が増えていきました。

 

 

突然の1ヵ月間の休み。スタッフにすべてを任せることに

 

 

スタッフとの関係性が変わりはじめた矢先、スタッフにすべてを任せざる負えない状況がやってきました。僕が肺気胸になって、強制的に1ヵ月間サロンを休むことになってしまったんです。

 

ところがその1ヵ月間で、なんと店全体の売上が上がったんです。

 

いなければいないでできるんだな。それまで任せるといっても、結局は全部確認しないと気が済まなかったのですが、そこからまた少し僕のスタッフへの向き合い方が変わりました。

 

スタッフにとってもそのときの1ヵ月は、殻を破るきっかけになったのかもしれません。そのころから自主的にフォトコンテストに出場するスタッフが出はじめ、優勝や入賞などの結果を出すようにもなりました。

 

売上が伸び、個人としての認知度も上がって、ひと回りもふた回りも成長するスタッフが出てきました。

 

各種コンテストでMAGNOLiAスタッフは上位入賞の常連に。

 

>後編につづく

 

プロフィール
MAGNOLiA 
代表/MARBOH

茨城県出身。表参道の有名店ANTIで小松利幸氏に師事。2008年に5月に独立し、東京・表参道に「MAGNOLiA」をオープン。2016年、2店舗目をオープン。特にパーマ技術に定評があり、サロンワークを中心に講習、セミナー、専門誌、一般誌の撮影など幅広く活躍。

 

(取材・文/福田真木子  写真/河合信幸)

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