世界一の日系トレンドサロンを目指して。急成長を遂げる組織の次の一手 ―10年サロン「ASSORT」のブランディングストーリー後編
経営を続ける中で感情を優先せず、冷静な視点を持つように
2019年は、国内では『CORRER』を『ASSORT HARAJUKU』にリブランディングし、ニューヨークでも『ASSORT NEW YORK』を閉め、勢いのある『VACANCY PROJECT』に統合しました。『CORRER』の箱自体はそのままですが、名前を変えただけで業績は一変。ブランドをクローズするのは悔しかったのですが、『ASSORT』はインターナショナルなサロンというイメージが浸透しているので、原宿にくる外国人をターゲットにすれば人気が出るのは明らかでした。
こうしたクローズの判断は経営をやっていく上で身につくものなのかもしれません。多店舗を展開していると、店に勢いがあるかどうかは明らかにわかります。そして、経営的にはまず勢いのあるところに注力して、勢いのない店は後からなんとかするほうがいい。経営を続ける中で、僕自身の考え方もドライになってきているのかもしれません。
また海外に初出店するときには小さなお店からはじめて、現地で信頼を得てから拡張することを心がけています。その成功例が、『ASSORT HONG KONG』『VACANCY PROJECT』です。2店舗とも今年拡張移転し、店舗面積は倍以上になりました。オープンからの4年間で現地のお客さまと信頼関係を築けた証だと思っています
4月には、オーストラリアのシドニーにある『USFIN ATELIER』というジェンダーレスサロンも『ASSORT』の傘下に入ります。『USFIN ATELIER』は年内にもう1店舗出店する予定ですし、国内でも青山でうちのスタッフが独立してフランチャイズを出店することが決まりました。
僕は、店舗展開するときには、その店で働く人の個性をしっかり伸ばせるようにしたいと思っています。『VACANCY PROJECT』が象徴的なのですが、ここの店長はおしゃれなものを作ることにすごくこだわっていて、好きなことを発信していくのが得意です。スタッフがやりたいようにやらせないと続かないんです。今後もスタッフの個性を活かしながら、経営や数字的な面は自分がしっかり見て、サポートしていきたいと思っています。
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