【RYUTA TOMONO】ロンドン・パリ・ミラノを拠点にコレクションや世界的ブランドの広告撮影、セレブ専属ヘア!?規格外のキャリアを経て生まれた変化

激痩せで体はボロボロ。半年で帰国を決意

 

――ファッション界の最先端の現場とは、この上ない海外経験ですね。

 

しかし、とんでもなく消耗しました(笑)。言い方は悪いですが、ある意味クレイジーな世界なんですよ。広告も当日現場に行かない限り、どんな撮影をするのか分からないんです。もし僕がミスってしまったら何億ものお金が自分のせいでふっ飛んでしまうので、とてつもないプレッシャーで前日は何も食べることができなくて。体調を崩して倒れたこともありました。後半は日本にすぐにでも帰りたくて、ミラノのエージェントに何度も駆け込んで「もう無理です」と事務所に交渉したりしていましたね。退くのはかなり大変でしたが、なんとか説得して半年で帰国する流れになって。渡英前より、体重が20kgくらい減ってしまいました。





――それはまた大変でしたね…。帰国後は前職の赤坂のサロンに戻られたということですが、順調に復帰できましたか? 

 

わりと早くリスタートできました。帰国してからは自分の好きなことをやろうと思っていたので、今は完全マンツーマンのサロンワークをしながらサロン経営者向けに英語のオンラインレッスンをしたり、ファッションブランドを立ち上げたり。ウェディングのヘアだけでなくドレスも作りたいなと思ったので、最初にウェディングドレスを作ったんですよ。それをお客さまが気に入って購入してくださって、海外で撮影した素敵な写真を見たときに幸せな気持ちになりましたね。



ファッションブランドFORUNAを設立。デザインコンセプトは【Amour et Lumière 】-愛と光-



 

 

――サロンワークのお客さまは、海外の方が多いとか?

 

40%が海外の方です。近くに大使館が多いので、大使館職員の方々も顧客にいます。料金はロンドンよりは下げていますが、あまり差がない感じで営業し、チップもいただいています。今の目標は、海外からわざわざ飛行機で来店してくださるような、三つ星の美容師になることです。




帰国して1年半経ちますが、ロンドンにいた頃とどっちが楽しい?と聞かれたら、今なんですよね。自分が大好きなお客さまたちもいますし、やり方さえ工夫すれば、置かれた環境からさらにアップグレードもできるというのを感じていて。というのも、ロンドンにいた頃は香港の方がたくさん来てくださって、60%がアジア系だったんですね。東京でも60%が日本人のお客さまで、残りはインターナショナルなんです。うまくアプローチすれば、同じスタイルのサロンワークが可能だということです。

 

ロンドンに行くまでは、「この人をキレイにしたい」という気持ちだけでしたが、今はもっとその方のライフスタイルを知ったり、どういう人なのかを知ることが大切だなと思うようになりました。肩の力を抜いて接客できるようになりましたし、かなり人あたりも柔らかくなったと思います(笑)。また海外経験を経て、自分の芯を貫けるようになりましたね。例えば仕事をご依頼いただいても、自分の意見をはっきり伝えられるようになりました。





>美容師の本質とは?視野を広げて見えてくるもの

 

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