30歳までに世界各地に100店舗を。23歳のグローバルな新世代オーナー・京極 琉さんに迫る
この日本でクリエイティブで成功するサロンをつくりたい!
半年間のロンドン留学を経て日本に戻ってきたときには、もう他のサロンに勤めるつもりはありませんでした。僕の持っていたスピード感を緩めることなくそのまま走らせるには、自分でサロンをはじめるしかなかったんです。
それで昨年オープンしたのが、ここ「Salon Ryu」です。
はじめからグローバルな展開を目指し、日本でのブランディングもグローバルな世界観をそのまま表現しています。インスタグラムやホームページに載せているスタイル写真も、日本のトレンドに合わせたものではなく、クリエイション作品や攻めたお客さまのヘアスタイルです。
クリエイティブが強いサロンは日本では成功しにくいと言われているのは知っています。
でもクリエイティブな世界観を発信して集客が成功することを見せたいんです。実際に1年経って、僕の発信を求めてくれるお客さま層が日本にも確実にいることを感じています。
「自分らしさを出したい」とこられる方や、「人生で一番ワクワクできる髪型にしてほしい」とか、「今までで一番自由なヘアスタイルにしたい」などとオーダーしてもらえると、ちゃんと伝わっているんだなとうれしくなりますね。
日本の美容師である僕らにとって、世界はチャンスとやりがいが溢れている
今年の10月には中国・武漢に出店が決まり、今は絶賛その準備中です。
目標は30歳までに、世界各地に100店舗を展開すること。お店を出すことで「Salon Ryu」とともに、日本の技術力の高さが世界に浸透し、美容がもたらすワクワクする気持ちを、多くの人に感じてもらえたらと思っています。
そもそも今、日本の美容業は縮小傾向にあると思います。ハイクオリティなものを、適正な価格で評価してもらうのが難しい時代。その一方で世界には価格よりも質を求めるお客さまが数多くいらっしゃいます。世界をターゲットにしたほうが、チャンスもやりがいもあるのではないでしょうか。
僕自身は経営者に収まるのではなく、よりアーティストとして成長していきたい。そのうえで技術者の気持ちがわかるトップとして、世界中にスタッフを送れるよう教育にも力を入れていくつもりです。
- プロフィール
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Salon Ryu
代表・ヘアアーティスト 京極 琉(きょうごく りゅう)
1994年生まれ。上海出身。12歳のときに来日し、それ以来東京で暮らす。高校卒業後、国際理容美容専門学校夜間課程入学と同時に美容室でアルバイトを開始し、卒業と同時に同美容室に就職。2016年、ロンドンに半年間留学。Vidal Sassoon Academy, TONI & GUY Academy , SANRIZZ Academy を卒業し、現地アーティストと作品撮影に取り組む。2017年7月、東京・赤坂に「Salon Ryu」オープン。
(取材・文/福田真木子 写真/河合信幸)