店を畳んで単身ロシアへ! 42歳で飛び込んだ美容師の挑戦 ― ロシア初の日系美容室「Kirameki Moscow」宮里俊介さん

 

自身の髪で実験リサーチ! ロシアと日本、美容事情の違いは?

 

 

ロシアの美容事情は、日本に比べて大きく遅れていたり、技術が低かったりという印象はありません。ロシアの美容室がどんなものか、リサーチを兼ねてこの半年で何度か行ってみたのですが、やはり日本のトレンドとは違いますし、技術が低くはないとはいえ施術における効率はそれほどよくないように思います。

 

男性の場合、とにかくみんな無難。僕もおまかせでお願いしたのですが、丁寧に切ってくれるけど無難なんです。特に冬場は、寒くて帽子をかぶるためか、横や後ろを刈り上げるスタイルで、いつも同じような髪型にされます。街行く男性も、同じような髪型の人が多いですね。また、ちょっと丁寧すぎて日本人の感覚からすると、施術に時間がかかる印象でした。

 

女性の場合は、まずカラーが多様なのが特徴的です。ロシアに来るまで、ロシア人はみんな白人系でブロンドというイメージだったのですが、実際は中央アジア系やモンゴル系など、いろんなタイプの方がいて。地毛の色も髪質も本当に幅広いなと感じています。そのためか、特に明るい色は日本以上に細かく薬剤が出ていますね。また、ウィービングやメッシュ、バレイヤージュなどの多色染めがすでに常識になっています。

 

ヘアスタイルは多くの方がロングを好む印象です。日本人と違って、ボリュームを抑えるというよりは、ボリュームをキープしたまま、きれいにまとまるヘアが好きなようです。だからあまり梳くことはありません。また、パーマをかける人はほとんどいませんね。

 

現地のお客さまが「Kirameki Moscow」で驚かれるのはシャンプーです。ロシアの美容室では日本式のマッサージシャンプーをするところが皆無なので、「まるで天にも昇るよう!」と感激してくださることもしばしば。嬉しいことにInstagramにものすごい長文で絶賛する投稿をしてくれる方もいます。

 

 

挑戦はまだはじまったばかり! ロシア人のお客さまも増やしていきたい

 

 

オープンして半年、移転したこともあって一度築いたベースが少し揺らいでしまったところもあるのですが、逆に言えばまだ半年です。今までもそうでしたが、ここからまた築いていけばいいのかなと思っています。

 

日本人のお客さまにより信頼していただけるように、1回1回の施術を丁寧に積み重ねていくのはもちろん、せっかくロシアにいるのだから、ロシア人のお客さまにももっと支持していただきたい。そのためにはやはりコミュニケーションスキルのアップは欠かせないと思っています。今はお店では通訳を介したり、英語を併用したりしていますが、ロシア語もマスターしたいですね。

 

何より実際にきてみてロシアのイメージが180度変わりましたし、今後の可能性は大いに感じています。自分がお客さまにできることを確実にやっていけば未来は明るいと思っています。

 

 

プロフィール

Kirameki Moscow

店長/宮里俊介(みやさと しゅんすけ)

 

1977年生まれ・鹿児島県出身。鹿児島県美容専門学校卒業後、神戸「ELLY LODON」に入社。2002年、2005年にはサスーンアカデミーに参加し研鑽を積む。2008年に退社後1店を経て、2011年鹿児島に「Hair Lab ansyu」をオープン、2019年6月まで地元の人に愛された。2019年7月にロシアへ移住、Kirameki Moscowの店長となる。

 

(取材・文/QJナビDAILY編集部)

 

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