【ROOTS加藤孝子】メンズヘア全盛期を築き、渋谷で創業21年目。リアルな声から生み出したジェンダーレスなデザイン提案とコロナ後の働き方

 

 

渋谷発メンズヘアブームを支える存在として、美容業界をリードしてきた加藤孝子(かとうたかこ)さんは、自身のサロンを立ち上げたのは20年前のこと。渋谷の神南エリアにある『ROOTS(ルーツ)』は、ショートやメンズヘアを中心に家族3世代にわたって幅広い年齢層のお客さまに支持され続けています。ショートカットが好きで、メンズ専門のヘアカタログがまだ世の中にない時代から男性のリアルな声を聞き、メンズスタイルを研究し始めたそう。名実共に功績を残してきた加藤さんに、メンズヘアに注目したきっかけやお客さまとの向き合い方、コロナ後の変化などについてインタビューしました。

 

プライベートではアクティブに地球を縦横無尽に駆け回っていらっしゃるとのことで、そちらの興味深いお話は後編でお届けします!

 


 

「男子の髪へのこだわり」が新鮮でメンズヘアに興味

ここ数年は空前のメンズ美容ブームですし、今はメンズ専門の美容院もたくさん登場していますよね。しかし私がメンズヘアに着眼した2000年代は、男性はバーバーに通う人が多く、美容院に来ること自体が珍しい時代でした。私がスタイリストデビューしてから、少しずつ女性のお客さまが彼氏を紹介して来てくれるようになった、そんな時代でしたね。


私はもともと自転車やバイク、車が大好きで、遊びも男っぽいアウトドアが好きなんですね。山に登るし海にも潜るし、スカイダインビングで空も飛ぶんですけど(笑)、そのせいで男性の友達も多くて。メンズヘアはクールなバーバーデザインより、柔らかいユニセックスな質感が求められる時代がこれからくるんじゃないかなと思っていたんです。カリキュラムにはないメンズヘアの自主練習をしようと、こっそり友人をサロンに呼んでいました。そのたびに、彼らは「美容院は女性客ばかりだから恥ずかしい」とか、「髪が濡れている姿を見られたくない」「額が出るのが恥ずかしい」などと言うんですよ。男性ってそんなこと思うのか、意外に繊細なんだな…と驚かされました。


そこで、他人の目が気にならないような死角の席にご案内したり、シャンプー後は直ぐにコームで整えてからカットをして、女性と同じ気配りをしました。男性はこだわりも結構強かったりするので、知れば知るほど「メンズ面白いかも」と感じるようになっていきましたね。コンサバ系大型店に所属していた私が、そうこうしているうちに出版社からメンズのヘアカタログの立ち上げなどの相談を受けるようになり、いろいろなことがリンクして本格的に「美容師が提案するメンズヘア」をやる流れになったんです。



リアルな声を吸収して新しいスタイルを生み出す


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