わたしの履歴書-異業種から美容師さんへ転職しました-
高校を卒業したら専門学校へ行って、美容室で働いてアシスタントを経てスタイリストへ。そんなキャリアが一般的な美容師の歩む道です。
でもそうではない。異業種から美容師に転職した美容師がいます。
なぜ美容師という道へキャリア変更したのでしょうか? 「LIM+LIM」の堀内英介さんと「CLARICA&STRAMA」の林貴史さんお二人に異業種から転職したワケを聞いてきました。
-LIM+LIM 堀内英介さんの履歴書-
整備士時代は車を相手にしていましたが
いまはお客さまを相手にできるのでやりがいを感じています
-前職はなんですか?
「車の整備士です。大手自動車会社の工場で車の点検や修理をしていました」
-なぜ美容師に転職しようと思ったのですか?
「もともと幼なじみに誘われて整備士になっただけで、望んでなったわけではないんです。働くなかで『なんか向いてないな、やりがいを感じないな』と思っていたときに、昔から好きで通っていたLIM+LIM(以下、LIM)を思い出して…。LIMで髪を切ってもらうと、新しい自分に出会えたり、幸せな気分になったりしたんです。僕もそんな“人を変える”側になりたいと思って、美容師を目指すことにしました」
-美容師に転職するというのは、簡単な決断ではなかったと思います。なぜあえて困難な道を選んだのですか?
「やっぱりやりがいに飢えていたんでしょうね。美容師になったらもっとやりがいをもって働けるという確信があったので、困難な道を行くという気持ちはまったくありませんでした。それよりLIMへの入社の道のほうが困難でしたから(笑)。何度も『入りたい』って直談判したんですけど、5回以上断られました。美容師の資格もない24歳の男ですからね。当たり前ですよね。やっと入社試験を受けることを認めてもらって。100人以上のライバルの中から採用されたんです」
-美容師に転職したことで苦労したことは?
「アシスタント時代は、経済的に少し大変でした。お給料の割に出費が多いんです。例えば、カットウィッグを年に何十体も買わなくちゃいけなかったり。一食バナナ1本で乗り切る日も多かったですね。体力的にも辛かったです。休みの日は専門学校のスクーリングに通っていたので、正月くらいしかゆっくりできなくて。おかげで10キロくらい痩せちゃいました。でも不思議と辛いとは思いませんでした。楽しくて夢中でした」
-美容師として働き始めたときに、前職の何が活かされましたか?
「働いていた会社に“プラスワン”という制度があったんです。例えば車検のときも決められた項目の他に、お客さまが喜びそうなことを一つ追加してやってあげるんです。そういうサービス精神は今でも忘れていないですね」
-美容師としてやりがいを感じることは何ですか?
「カットさせていただいて、お客さまが笑顔になる。それが一番の喜びです。整備士は対“車”なので、“お客さま”に触れる機会が少なく、満足していただいたのかがわかりづらかったのですが、今は対“お客さま”なので、気持ちいいとかありがとうって、直接言ってもらえるので、やりがいを感じますね」
-美容師としてのモットーはなんですか?
「僕がLIMと出会って感動をもらったように、僕もお客さまに感動してもらえるような仕事をすること。そしてカットしたその日だけじゃなく、それからの毎日を変えられる美容師になることです」
-今、美容師になろうか迷っている人にひとことお願いします。
「この業界に入って13年ですが、今でも毎日が楽しくて仕方がないんです。そんな風に思える仕事って、すごくステキですよね。もちろん大変なことも多いですが、それ以上に幸せだったり、充実感を得られる職業だと思うので、興味のある人はぜひ挑戦してもらいたいです」
- プロフィール
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LIM+LIM
堀内 英介 (ほりうち えいすけ)
関西のファッショニスタたちが集うことで知られる「LIM+LIM」の人気スタイリスト。ナチュラルさの中に個性を表現するスタイルで多くのファンを獲得。プレス担当としても活躍中。
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