【波巻きパーマの匠・貴龍】カットとパーマの連動性を重視したワインディングを理論化。オリジナルメソッド「Y.O.G.パーマ」で表現するメンズヘア
毛束一つをどこまで綺麗に作る?が詰まったパーマメソッド
去年、女性モード社さんと「Y.O.G.パーマメソッド」という本を出版させていただきましたが、僕もともと技術を人に教えるのがあまり得意ではないんですよ。感覚で作っていた部分は、編集さんのおかげでようやく言語化できて僕自身もすごく助かりました(笑)。Y.O.G.というのは、「よしたつオリジナルパーマ」の頭文字を取っています。お客さまが名付けてくれました。
例えば僕が施術するパーマでは、円錐のロッドをめちゃくちゃ使っています。デビューしたての頃に前職の倉庫で見つけて勝手に使い始めたんですけど、根元にリッジが立ちますし、抜けた質感が出るんですね。波巻きパーマも最近はやり方をちょっと変えていて、根元にリッジが立たなかったところを立ち上がるようにして変化を加えています。毛先にボリュームが出ずに立ち上がるので、欲しいところに対してピンポイントでボリュームがでます。またワインディング以前にカットも重視しています。事前のカットで量感を調整し、質感の完成度を高めた上でパーマをかけるという考え方を実践しています。
最近のメンズパーマは、コールドとクリームが半々くらいになってきていますが、僕はクリームパーマで育ってきたので、今はコールドパーマが楽しいですね。メンズのボブも流行っていますから、コールドパーマの特性を生かした施術に醍醐味を感じます。ブランディング的にメンズヘアをメインにしていますが、お客さまが奥さんやお母さんなどを紹介してくださるケースも実は多いんです。パーマに対するこだわりはありますが、メンズパーマだけに固執しているわけではないので、どちらも楽しんで施術しています。それが美容師の醍醐味ですからね。
- プロフィール
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佐藤 貴龍(さとうよしたつ)
『RESSUAL recta』ディレクター
1988年生まれ、東京都出身。国際文化理容美容学校国分寺校を卒業後、有名店に入社。4年半でデビューし、その後はパーマを探求。メンズ顧客を増やし、ディレクターとして活躍したのち、11年で退社。人気メンズサロンでフリーランスとして働きながら、スタッフに波巻きパーマを指導したことで大ヒットへと導く。2020年12月、『RESSUAL』ディレクターとして立ち上げから参加。2023年1月、2店舗目となる『RESSUAL recta』へ異動。オリジナルのY.O.G.パーマを考案、その技術の集大成として「Y.O.G.パーマメソッド」(女性モード社)を上梓。
Instagram:@yoshitatsu___
(文/織田みゆき photo/松林真幸)