激戦区サロンのオーナーが知った地域コミュニケーション式スタッフ教育―K.e.y田中祐次さん

新しい出会いがスタッフの学びになる

 

 

商店街のイベントでは、過去に宝探しゲームを企画したことがありました。誰でも参加できて、町内会のお店を回りヒントをもらいながら、お宝を探すゲームです。

 

当日はお店にきた人たちの対応をするのがそれぞれのお店の役割。普段はこない子どもがきたり、その親御さんがきたり。商店街のお店を回るというミッションを入れることで、スタッフもいつもとは違う顔ぶれのお客さまの対応に、新鮮な気持ちで対応できたのではないのかと思います。いつも同じ人と接しているだけではコミュニケーションの成長にはつながりにくい。新しい出会いを通して、その人に合わせた対応をすることで、接客業である美容師としていい経験になりました。

 

行事を通じて、参加した人たちにK.e.yが楽しい時間を過ごせる場所だと印象づけることができたとも思っています。新たなコミュニケーションが生まれて、商店街にいる時間が増える。そうすると、お客さまが他のお店を訪れるきっかけづくりにもなり、地域全体の経済効果にもつながります。

 

地域との円滑なコミュニケーションは一般常識や社会性も育つ

 

 

商店街の定例会は、はじめのころは僕が出ていましたが、今では店長の小池がその役割を担ってくれています。店長になる1年前くらい前から新年会などに連れていき、徐々にバトンタッチの準備をしていきました。店長と地域とのコミュニケーション役の二つを任せたことで、責任感も高まり、お店のまとめ役として以前にも増して頼りになる存在になっていると感じています。

 

また、地域とのコミュニケーションはお客さまとは違う立場の方との関わり方も学べるという点で、一般常識や社会性も育ちます。スタッフ 1 人 1 人が自立して、地域と円滑なコミュニケーションができるのは美容師としても大事なこと。お祭りやイベントとなると、仕事関係ではない目上の方と緊張感を持って接するような場面も出てくる。そこで自分自身がどういう態度で接して関係性を築いていくかを考えられる機会になるんです。

 

例えば、スタイリストとしてデビューしたあとに、撮影などでお店の仲間以外のさまざまな立場の方とお仕事をする機会も増えてきます。そういうとき、周囲の人たちに対して自分ができることを考えられる力が役立つんです。

 

>スタッフと地域が家族のような関係へと結びつく

 

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