ヒマをつくるな! 「好き」なことで楽しく、忙しく! MINX池戸裕二の「ポジティ部」【前編】
【Training 01】ピンチからポジティブ思考を鍛えよう!
コーチが体験したピンチをもとに折れない心のつくり方、前向き思考をトレーニング!
デビュー後の3年間は鳴かず飛ばず…必死になったら変わった
ピンチはたくさんあったけれど、一番は何かと問われたら、スタイリストデビュー後、パッとしない期間が3年くらいあったことですね。少しずつ売上は上がっていたけれど、よくないときは月の売上が20万円~30万円くらい。当時は美容師ブームの真っ只中だったから、流れに乗ればグンと上に行けたはず。けれど、僕は低空飛行で苦しんでいました。
僕の同期はかなり優秀で、たとえばMINXでいうと中野太郎君、今はTierraのオーナーとして活躍している三笠竜哉君などがいました。どんどんお客さまを獲得して、メディア露出を増やしていく様子を間近で見ていたから気持ちは焦るばかり…。
僕にお客さまが付かなかった理由は、今となればよくわかります。ファッションや接客まで含めて、自分の個性やこだわりを一方的に打ち出していたから。
ちなみに、ベルボトムに柄シャツ、ふわふわのカーリーヘアで雑誌に載ったことも。その写真は今も残っているから見た人はみんな驚くと思います。とにかく、個性というものを勘違いしていた。しかも、自分の個性を譲らないことが正義だと思っていたから、なかなか変わることができなかったんですよね。
転機になったのは、新店へ異動したこと。MINXとしても初めて出店するエリアだったので、お客さまはゼロからのスタート。今と違ってSNSもなかったから、自分で集客するしかなかったんです。
そのときに僕がやったのは、ひたすら名刺を配ること。そうでもしないとお客さまを集められないから、仕事終わりにいろんな場所に出向いて、お客さまになってくれる人を探していました。MINXには「やるもやらねぇもてめぇの勝手」っていう言葉があるんだけれど、自分の意志で行動できたのがよかったのだと思います。
苦労して獲得したお客さまだから、自分の個性はわきに置いて、お友達や家族を紹介していただけるようにベストを尽くすようになる。するとだんだんお客さまが増えてきて、100万円、200万円、300万円…と売上も増えていきました。それでも同期よりは成長が遅いし、自分の何倍もお客さまを抱えている先輩もたくさんいたので、謙虚でいられたのもよかったのかなと。
振り返ってみると、ブランド力や集客力があるMINXという組織に依存して甘えていたから、自分中心で考えてしまっていたのだと思います。それが新店でゼロから出発することになったから、考え方と行動を変えることができました。オープニングから入ったから、立ち上げや集客、後輩育成などやることがたくさんあって、悩むヒマがなかったのもよかったかな。
♦♦♦Training01のおさらい♦♦♦
お客さまあっての美容師の仕事! 自分の個性やこだわりを持ちすぎて独りよがりにならないように!