「自分のお店を持ったことでいろんな自由を手に入れることができました」−people・磯部さんが語る独立後−

独立したことで身軽に活動ができる

 

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-独立前にはどんなキャリアプランがありましたか?

 

「30代に突入した頃、独立しようかなって思いました。美容師は技術職ですし、将来を考えたときに独立しかないなって」

 

-そして独立してpeopleを設立。独立したときに最も大変だったことは?


「一番はお店探し。ちょうどいい物件がなかなかなくって。死ぬほど探しました。やっぱり美容室といえば表参道と青山じゃないですか? 僕はそこで勝負したかったんです」

 

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-peopleはどんなコンセプトで作ったんですか?

 

「お店のある北青山のローカルになりたいっていう思いがあります。この一角は閑静なんですけど利便性がよくて、ローカルっぽい感じが漂っている。いい立地なのに、静か。住宅もあって、個人店もあって、ご近所さんとも仲良くできる。おかげで騒音がうるさい時もありますが(笑)」

 

-SHIMAという大きな組織にいるからできること、逆に独立してできること。それぞれにできることは何ですか?

 

「SHIMAにいるとそれこそ何でも出来るんですよ。でもアイデアを出しても駄目だと言われるときもあります。そのアイデアが駄目なんじゃなくて、全体をまとめるために駄目って言われる場合もある。そうなると挑戦しづらい。だけど独立すると自由です。自由は大変だけどフットワーク軽く動けるので」

 

-自由を得て、どんな活動をしましたか?

 

「仲間といろんなコラボレーションができたのがうれしかったです。年3回、仲間と一緒に写真を撮ったりして、作品を作る活動ができる。これはSHIMA時代にはできなかったことです。SHIMAという看板を持っていた自分にはできなくって、個人の看板を抱えている今だからできる」

 

独立した後もSHIMAのスタイルを継承

 

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-今、経営者として人を育てている立場にあると思うのですが、教育するうえで大切にしていることはありますか?

 

「やっぱりSHIMAと同じように、パワハラやトップダウンはしたくないですね。楽しく働きつつ決めるときに決める。できるならどんどんやらせる。ホットペッパーにアシスタントのスタイルを写真で載せているんですよ。その写真を見たお客さまがいて、要望があればアシスタントでもやらせています。チャレンジさせたいし、風通しをよくしたい。僕はSHIMAのそういうスタイルが身に付いてしまっているんですよ」

 

-スタッフにお店を持たせたいとも思っていますか?

 

「はい。今いるスタイリストが一つの店を持てるようにしたい。できればpeopleのような小さな規模の店をいっぱい作っていきたい。独立支援型ではないんですけど、売り上げが見込めるのならお店を作って任せていきたい。peopleと繋がってくれれば、別に店名を変えてもいいと思っていますし。自分で背負って立つ思いがあるなら、それをバックアップしていく。そうして美容界を盛り上げていきたいです」

 

-磯部さんが思い描く理想の美容室とは?

 

「やっぱりサービス業ですから、お客さまをよりカワイくしたい、よりかっこよくしたいという思いで働いています。サービスのために技術を磨き、サービスのためにクリエイティブになる。ひとり一人にきちんと対応したい。すべてはお客さまの満足のために、です」

 

-そういえば好きな女性の髪を切るのが夢だと冒頭でおっしゃっていましたけど、叶いましたか?

 

「はい。今は妻の髪を僕が切っています。ははは。あとは娘の髪も切っているんです。2歳になったんですけど、そのときが一番幸せですね」

 

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people代表/磯部忠勝

新潟県出身。専門学校卒業後、SHIMAに入社。15年間、トップスタイリストとして活躍した後に独立。2012年、peopleを設立。へアーショー、カットセミナー、雑誌のヘアメイクに加え、アーティストとのコラボ活動も行なっている。

 

 

(取材・文/QJナビ編集部)

 

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