全力美容師が出産！ママ美容師が輝くために必要なこと NORA Journey 阿形 聡美さん
美容のセンスとその発信力で注目され続けているNORA Journey 阿形 聡美（あがた さとみ）さん。全力で美容人生を駆け抜けてきた阿形さんが昨年夏に出産。現在は育休を終えサロンに復帰し、活躍しています。全力美容師が産休育休をどのように過ごしていたのか、子育てをしながらの仕事のリアルな課題は何なのか？ 同じ境遇のママ美容師さんやこれから結婚出産を考える後輩美容師さんたちのためぶっちゃけトークをしていただきました！
子育てはイレギュラーの連続！出勤して即お迎えになったことも
編集部：まずはご出産おめでとうございます！ 4月からサロンに復帰してから、今はどのような働き方をしていますか？
阿形：出産したのが2021年8月で、11月から月1回、NORAが保育士にお願いして、施術中お客さまのお子さんをお預かりする「ママサロン」のときに、子どもを預けて働きました。12月からは土日の予約を解放して、4月からは時短勤務で働いています。
火から木曜日は17時半までの勤務で、金曜日は夫がお迎えや寝かしつけまでしてくれるので、フルで勤務しています。土日も夫に協力してもらい、両方出ることもあるし、片方だけ出ることもありますね。夫がテレワークも可能な仕事で、すごく協力してくれるのでそこは本当に助かっています。
編集部：スムーズに復帰できたんでしょうか？
阿形：いやいや、そんなことはないです。最初は慣らし保育がうまくいかず、子どもがミルクを飲まないので、12時にお迎えに行ったりしていました。でも12時にお迎えにきてって言われても、11時にサロンオープンだから何もできないじゃないですか。夫が対応してくれるのが救いでした。
その後は段々と預けられる時間が伸びていき、最近は18時にお迎えしています。とはいえ、送り迎えは大変だし、いろんな予期せぬことが起こるので、保育園の場所はサロンからも家からも近いほうがいいですね。それと、自分も夫も都合がつかない緊急の時にどちらが折れるかを決めておくのは重要です。うちの場合は夫ですが、事前に設定しておけばその度にやきもきせずに済みますから。
サロンと夫のサポートのおかげで頑張れる！
編集部：大変ながらも仕事と育児の両立はできているという感じですか？
阿形：サロンのみんなと夫のサポートのおかげで意外となんとかなっているかな、という感じです。めちゃくちゃ大変というわけではないですね。
働く時間が短いので、予約が取りづらいなどのやりにくさはあります。サロンにいるのが17時半までだから、ストレートパーマやブリーチなどの時間がかかる施術をやる日は、予約枠がすぐなくなってしまうんですよね。
インターネット予約の場合だと、設定した枠以上の予約は入れられないのですが、実際はアシスタントに手伝ってもらうことで予約を重ねられることもあるんですよ。その場合は、電話でご連絡いただければ調整できるのですが、ネットで見て空いてないからほかのスタイリストで予約するというお客さまもいます。そこがちょっと悩みどころですね。
編集部：両立に向けてはまだまだ試行錯誤が必要ということですね。産休に入る前にどんな準備をしたのかも教えてください。
阿形：一般的には出産予定日の6週間前から産休に入るようですが、私はサロンに相談して8週間前から休ませてもらいました。
休暇中の引き継ぎに関しても、思いつく限りのことは全てやりました。お客さまのカルテには、髪質や履歴、ライフスタイルだけでなく、現在のヘアスタイルにたどり着いた経緯や、これからやりたいヘアスタイルまで事細かにまとめて、引き継いでくれるスタイリストに申し送りました。お客さまの髪質や骨格に合った切り方なども時間を使って教えていましたね。
どのお客さまをどのスタイリストにお願いするかも重要ですから、お客さまとの相性や自宅からのアクセスなど、さまざまな条件を踏まえて決めました。お客さまの相性を考え抜いた引き継ぎの結果、NORAから離れたお客さまは少ないかもしれませんが、体感として私のもとに戻ってきてくださったお客さまは、6割くらいなのかな、と感じています。物理的に夜しか来られないお客さまもいらっしゃいますしね。
NORAは産休から復帰した前例がなかったので、いろいろ手探りの部分が多かったと思います。サロンとスタッフの理解に感謝ですね。
