最高峰の技量で他の追随を許さない、色のスペシャリストが俯瞰する美容業界。カラー専門美容師・岩屋真【後編】
深刻な悩みをもつマダム世代に注力。予約はLINEで
カラー領域は全てやってきましたけど、僕はもうブリーチやハイトーン系はいいかなと思っていて。今の若い子たちはみんなうまいですし、うちにも24歳ですごく上手なスタッフがいるので、そこは任せてもいいかなと思っています。大人の女性のほうが悩みが深刻ですし、日常のお役に立てている実感がすごく感じられるので、僕は今30代後半から60代のマダム世代をメインターゲットにしています。
デザインはお客さまとお話をしてみないと決められないのですが、どういう自己実現をしたいのかを聞いて、素材に合わせていきます。僕のお客さまは窓口を個人LINE一本に絞っているんですね。ウェブ予約も取っていません。新規も含め、LINEで事前カウンセリングを行い、それから来店していただくようにしています。登録者数が1000人以上いるので結構大変なんですけど（笑）、1日ファミレスで30-40人に返信作業をして対応している感じです。
LINE予約を始めたきっかけは、2年前の緊急事態宣言です。前職のお店が1カ月クローズしたときに、改めて僕らの仕事はお客さまがいないと何もできないんだなと思い、もう一度役に立つことをしようと思ったんですよね。カラー専門美容師に24時間、カラーの相談ができたら助かるかな？と。お客さまもサロンに行けず、白髪が伸びてくるしセルフカラーしていいのかな？と悩まれていたので、日常に寄り添いたいなと思ったわけです。
ご来店の有無に関わらず相談のみも受け付けているので、やりとりは大変ですが、僕は”主治医”だと思っていて。時間的にすぐは返信できませんけど、施術後に相談できることは喜ばれていますね。新規の方も、サロンで「初めまして」と会うよりは、事前にやりとりをしてお会いしたほうが安心してもらえるみたいです。ちなみに新規は3カ月前から予約を解放するのですが、90%は既存客の直予約なので、その隙間に差し込んでいく形にしています
