最高峰の技量で他の追随を許さない、色のスペシャリストが俯瞰する美容業界。カラー専門美容師・岩屋真【後編】
今年4月、表参道にサロン『NOOS(ノス)』を3人の共同代表でオープンした岩屋真(いわやまこと)さんが、QJナビDAILYに初登場。カラー専門美容師として最前線で活躍されていますが、TONI&GUYに新卒入社した18年前は、カラーに全く興味がなかったそう。カラーリスト第一期生としての道を選択した理由、紆余曲折のキャリア形成、そして昨年末に17年間勤めたサロンを離れることにした心境や今後の展望など、盛り沢山の内容を前編・後編でお届けします。
どんなトラブルにも対応できる技術と勘に価値がある
今の時代に美容師がハサミを捨ててカラー1本で食べていくのは、並大抵の覚悟では生き残っていけません。カラーリストとして誰の役に立てるのか?を考えることが大事で、どういう人の役に立てるのか、オールラウンダーができない範囲はどこなのか?とか、そういう優位性を作っていかないと厳しいかなと。突き抜けないと生き抜けないですし、社内でも社外でも価値を作らないと、ポジションを確立するのもフィーチャーされるのも難しいかなと思います。
セミナー講師として、これまでさまざまな場所で教えてきましたが、僕がいつも心がけているのは、「カラーが楽しい」と思ってもらうこと。そして、その日にできなかったことを、できるようにして帰すということです。この「技術」と「楽しさ」は大切な要素ですが、カラーのスペシャリストとして僕が突き抜けられた理由を考えてみると、一番は技術力ではなく“対応力”だと思っています。つまり、トラブルシューティングですね。あらゆるパターンを経験してきたので、失敗したときの軌道修正ができるんです。外部の仕事に呼んでいただけるのも、この対応力を評価されているのかなと思うんです。
これまでの18年間、若い子のブリーチデザインからマダム世代、外国人のハイライトなど、カラー領域を全て経験してきました。海外のカラーリストと仕事をする機会もたくさんありましたし、その積み重ねた経験で得た対応力が、大きな武器になっているのかなと思います。