目が見えない状態からの復活! フォロワー118k超のアレンジの達人はこうして生まれた

お客さまとの時間が最高に幸せだから現場を離れたくない

 

 

インスタグラマーやヘアアレンジの講師のイメージが強いかもしれないですけれど、僕はサロンワークを一番大切にしています。一人ひとりと向き合いたいから、もうずっと新規はとらずに指名のお客さまだけなんですよ。美容師ってつくづくいい仕事だなぁって僕は思っています。高校生のときにカットモデルとしてきてくれた子が、大学生になって、社会人になって…その間の恋愛遍歴も全部知っているし(笑)。友達でも家族でもないのにお互いすごく深い話ができる。しかも、そういう子たちが結婚するときに、自分もお手伝いができる。もう泣いちゃいますよね、毎回。

 

お客さまと一緒にいるときが一番楽しいから、絶対に現場を離れたくないんですけれど、一応、僕は3店舗のオーナーなのでそうもいかず…しかも、高田馬場、藤沢、札幌と離れたところにあるから移動が大変だし、業務的なことも複雑なんですよ。

 

ちなみに、高田馬場にサロンを出店した理由は特にありません。物件を見たときにはじめて降りた駅だったんですよ。年季が入っている建物なので修繕費が掛かって大変でしたし、完成までもトラブルがたくさんありました。多分そのときに結構、頭がハゲたと思います(笑)。

 

藤沢店はもともと前の会社でお世話になった先輩が、別の名前で経営していたのですが、続けられなくなったため僕が買い取りました。赤字続きで軌道に乗るまでは大変でした。だから、藤沢店も何か戦略があったわけではありません。札幌店はマネジャーの奥さんが単身赴任で札幌にいくから、そこで働けるようにするために出しました。僕の実家が札幌にあるので都合がよかったのもあるんですけれど。なので、サロン出店にはこだわりがないし、「なんとかなるだろ」という感じでエイッ!とつくった店ばかりなんですよ。

 

Instagramはもう疲れた!?

 

 

正直に言うと、Instagramには少し疲れちゃった感があるんです(笑)。昔からずっと続けている人を本当に尊敬します。ときどき、アレンジで人気の方から飲みに誘ってもらったりするんですよ。そこでも「Instagramに写真あげなさすぎでしょ」って言われています。そうだよなと思って、飲んだ次の日に一作品あげる。でも、サロンワークも講師の仕事も忙しいので…。Instagramのストーリーではちょこちょことあげたりしていますけれどね。

 

それに、やっぱりこれからは動画の時代なのかな、と思います。写真もいいですけれど、YouTubeとかTikTokって面白いじゃないですか。なのでこれから新しく何かを始めるとしたら動画かな。でも、今はヘアアレンジよりもカラーが流行っていますよね。カラーの旬の人たちを参考にしようかなって思っています。

 

ヘアアレンジブームは下降気味とはいえ、需要はなくならないと思っています。それに僕は人に教えることが好きなので、ヘアアレンジの講習の仕事は広げていきたい。自分が覚えたことを人に伝えて、その人もできるようになるのがうれしいんですよ。美容業界を盛り上げるとか、そういうたいそうな気持ちがあるわけじゃないけれど、自分の技術で少しでも誰かの役に立てたらうれしいと思っています。

 

あとは、やはりサロンワークを大切にしたい。今どんなものが求められているのか、どんなものが流行っているのか、その時代の気分みたいなものを、僕はお客さまから教えてもらってきたんですよね。だから、どんなに忙しくなってもサロンワークは欠かせないです。繰り返しになりますけれど、美容師はめちゃくちゃいい仕事だといつも思っています。生まれ変わっても美容師をしたいって僕はいつも思っていますから。

 

 

プロフィール
nico.../溝口和也(みぞぐちかずや)さん

北海道出身。大型店勤務後、ロンドン滞在、業務委託などを経て独立。Hair Atelier nico...の代表として、高田馬場、藤沢、札幌で店舗経営。サロンワーク、ヘアメイク、講師として活躍。そのテクニックや作品は雑誌等のメディアでも取り上げられている。

 

(文/外山 武史  撮影/泉山美代子)

 

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