新世代エースを探せ!Vol.5 入社するため師範の免許も取得! MAGNOLiAのDAISUKEさんによるがむしゃらヒストリー
『ドリームプラス』ではほかの出場者と違ってカット、カラー、パーマで勝負
-2008年にMAGNOLiAのオープニングスタッフとして参加され、のちに店長に就任されました。その指導力が評価されて、店長に選ばれたのかもしれませんね。
僕、人の面倒を見るのは嫌いじゃないんですよ。中高ではサッカー部の部長、美容学校時代は生徒会長をやっていましたし。
-店長としての苦労はありますか?
店長って、一般の会社でいう管理職的な役割なんです。金銭的な面でも結果を求められるし、スタッフの教育からケアまでしないといけないし。日々の仕事の中でやるべきことが多いのは大変ですね。
-売り上げを伸ばすために何かしていることは?
美容師として、“ひたすら技術を磨くこと”、“勉強を怠らないこと”、“価格に対してしり込みしないこと”この3つのことを大切にしています。店長としては、アシスタントでも生産性を上げられるシステム作りに励みました。たとえば、美容師に洗髪を頼まれたら、ただ髪を洗うのではなく、お客さまの髪質を見てその方に合ったオプショナルメニューを提案してみる。そういうところに意識を持って接客するよう指導しています。
-人材育成に関してはいかがですか?
うちの美容室は、アシスタントは3年半で一人前になれるレッスンカリキュラムを組んでいます。その一つ一つの課題に対して「これができたら合格」という具体的な答えを設定してあげるようにはしていますね。答えを明確にすることで、スタッフが目標を立てて、勉強をできると思うんですよ。
-店長としての業務をこなしながらも、コンテスト『ドリームプラス』に出場し、2015年には優勝をしました。
あの優勝はモデルさんに恵まれたおかげです。大学入試直前だったのにもかかわらず協力してくれたんです。ファイナルは武道館で開催されるのですが、特別なときでないと立てない場所なので、めちゃくちゃ緊張しましたね。もちろん楽しかったですし。僕たちの世代の憧れの存在である諸先輩方が審査員だったのもうれしかったです。みなさんが僕を見てくれて評価してくれたことに感激しました。
-なぜ優勝できたのだと思いますか?
ほかの出場者のみなさんはアイロンでスタイリングを作っていくことを重視していたのですが、僕はカットとカラー、パーマで勝負したいという思いがあったんです。特にカットには時間をかけました。そこを評価していただけたのかもしれません。
-優勝して何を得られましたか?
まずはMAGNOLiAの知名度を上げることができたことはよかったです。そしてお客さまも喜んでくれたこと。これが一番の喜びですね。個人的には、パリ研修に行かせていただいたのも、いい経験になりました。パリでは、パリコレのバックヤードに入れたんですが、世界的に有名なローラン・フィリッポンのアシスタントができて刺激を受けました。僕を含め、いろんな国からきた美容師がローランのアシスタントとしてついたのですが、僕はフランス語が分からず、最初は思うようにいかなくって…。でも技術で乗り越えられました。やっぱり日本人って手先が器用なんですよ。日本のヘアメイクは世界でもトップレベルなんだ、と知ることができたのは大きな収穫でした。
-最後に、美容師を目指しているみなさんや、美容師になりたての後輩のみなさんに熱いメッセージをお願いします。
最近の学生たちと接したときに僕なりに感じることは、一生これで食べていくんだという覚悟が少し足りないのかな、と。高い授業料を払って美容学校を卒業したのに、理想と現実のギャップに耐えられなくて辞めていく子も多いですし。技術を少しでも伸ばそうという“前のめりな気持ち”を持っている子も少なくなったような気がします。美容学校の生徒さんはもちろん、アシスタントになりたての子達も、業界誌を読むとかセミナーに行ってみるとか、技術を伸ばすことにもっと貪欲になって欲しいですね。そして、長く美容師を続けて行ってほしいです。美容師は一生をかけるのに値する素敵な職業ですから。
- プロフィール
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MAGNOLiA
店長/DAISUKE
山野美容専門学校を卒業。ANTIを経て2008年にMAGNOLiAのオープニングスタッフとして参加し、2013年から店長をつとめる。現在は、YAMANOグループ内の教育委員会に最年少メンバーとして参加したり、美容学生を対象とした講演を行ったりと、若手育成にも力を入れる。新規オープンする原宿店の店長に6月より就任。
(取材・文/酒井美絵子 撮影/久保田明)
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