スタッフのやりたいことを一緒に実現して自分も成長する

私は前職で1年半のカリキュラムを受けただけで、退職しました。フリーランスのアシスタントになってからは、サロンに所属するアシスタントとは違って、指標となる教育カリキュラムがないんです。スゴロクのようにひとつずつ駒を進めていけば１年後にデビューできるという目安がないので、自分の頭で考えて、次はどうする？何を学ぶ？と模索しながら前へ進むしかありません。どうしたら自分がもっと成長できるのかな？と考えながら行動し、技術を磨いてきました。でもその経験によって問題解決能力や柔軟性は養うことができたし、それが自分の強みかなと思っています。たくさんのモデルさんを施術してきたことで、技術の自信もつきました。

『iLe.』は、酒井さんと、同じくフリーランスだった西村涼さんが共同代表を務めるサロンです。私もオープニングメンバーとして『iLe.』に加わりました。サロンという場所ができてから、一気に学びの環境が揃ったという実感があります。『iLe.』という環境でスタイリストとしてデビューさせてもらったことも、大きなチャンスになったと思います。

『iLe.』にいた頃は上の人たちに引っ張られてきましたけど、『nehus.』は私も含めてスタッフみんな同年代なんです。だから全体の底上げというか、みんなで士気を上げていくように心がけています。部活みたいな雰囲気がありますね。私が大事にしているのは、スタッフに「これをやってね」とお願いをするのではなく、その子が何をやりたいと思っているのかを聞いて、把握すること。”やりたいこと”でなければ続かないと思うので、収入を上げたいのか、時間が欲しいのか、何でもいいんですけど、一人ひとりのやりたいことを叶えてあげるために、「じゃあ、こういうことしてみたら？一緒にやろうよ」みたいな感じで、そこに自分も便乗して一緒に成長できたらいいかなと思っています。

例えば、撮影がしたい子には「私も一緒に行くからやってみる？」とか、セミナーをしたい子なら、不安な気持ちや悩みを聞いたりしながら同じステージに乗るということを意識しています。なので、以前よりスタッフと会話する時間はかなり増えましたね。うちは何を強みにしてもいいので、メンズカットでも黒髪でも、「やりたいことを強みにしてね」というスタンスです。ブリーチカラーの技術は圧倒的に高いサロンなので、そこにプラスアルファで何を掛け算していくのか、というところです。

＞自分だけの強みを掘り起こして、めざす美容師像も明確に