日本で一番、髪型を撮影するカメラマン・永谷知也さんが考える“一流の美容師”とは

代表になっても現状に甘んじない姿から成長と努力の大切さを学んだ

 

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-美容師さんと仕事をしていて、クリエイティブな部分や働き方の部分で学んだことはありますか?

 

とにかくタフですよね。サロンワークして、撮影して、セミナーして、勉強会して、夜は夜で飲みに行って。本当に、いつ寝ているんだって感じです。仕事に対しても本気、遊びにも本気。全部に対して本気なんですよね。昨日も体育館に美容師が大集合して大運動会をしたんですけど、それだって本気。僕は筋肉痛でヘロヘロなのに(笑)。

 

以前に、GARDENの河野悌己くんが『忙しいは理由にならない。時間なんて、作ろうと思えばいくらでも作れる』って言っていて。『変態!』って言ってやりましたけどね(笑)。本当の“生き方”を知っている。そういうところは見習いたいと思うし、刺激を受ける部分ですね。

 

-永谷さんから見て、一流の美容師さんになるために、若い時にしておいたほうがいいと思うことはありますか?

 

なんでもいいから楽しみを見つけることだと思います。カットでもカラーでもなんでもいいんですけど、得意なことを見つけてほしいなと思います。それにはまず、なによりも練習ですよね。この間もCIECA.に行ったら、代表の野口和弘くんがウィッグでカットの練習をしているんですよ。CIECA.の代表がですよ。びっくりして、『なにやってるの?』って聞いたら、『このカットラインが面白いんじゃないかと思って試しているんです』って。現状に甘んじることなく、つねに成長し続けること。そうした努力の積み重ねが、一流美容師につながると思います。

 

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カメラ講習をする永谷さん

 

-ではカメラマンとして、若い美容師さんにアドバイスはありますか?

 

カメラマンとしては、撮影の楽しさを知ってもらいたいですね。僕たちが若い頃は、若い美容師さんの登竜門的なヘアカタログがたくさんあってチャンスもたくさんあったのですが、今は出版社も失敗したくないから、『確実にかわいいスタイルが作れる人』に撮影をお願いする傾向にあって。その意味では若い子はかわいそうだなと思うんです。その代わり、自分で撮影したヘアをSNSで発信していかなちゃいけない。もちろん、自分で撮影することを否定するわけではないのですが、それでも『自分の作品を撮ってもらうってこんなに楽しいんだ』ってことをもっと知ってもらいたい。

 

カメラマンと美容師さんが一緒に一枚の写真を作り上げていくことで可能性が∞になる。若い美容師さんがそういう喜びを知ったらもっと美容が楽しくなるし、美容師を楽しむことで、もっと美容師になりたいと思う人が増えるといいなと思っているんです。

 

プロフィール
WILL CREATIVE
カメラマン/永谷 知也(ながたに ともや)

業界誌や一般紙、広告等の撮影、フォトセミナーなどで活躍。世代を問わず、多くの美容師から絶大な支持を集める。U-REALMの高木裕介氏とともに「東京ブレンド」の発起人となり、美容業界に新たな風を吹かせている。

 

(取材・文/池山 章子  撮影/QJナビ編集部  写真提供/WILL CREATIVE)

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