日本で一番、髪型を撮影するカメラマン・永谷知也さんが考える“一流の美容師”とは
『ヘアがかわいいと写真もかわいくなる』このことをAFLOATの宮村さんから学んだ
-これまで数々の美容師さんと仕事をしてきた永谷さん。一緒に仕事をしたいなと思うのはどういう美容師さんですか? また、逆に仕事をしたくないなと思うのは?
重要なのは撮影に取り組む姿勢ですよね。考え方が凝り固まっている人や、僕が撮りさえすればかわいくなると思っている美容師さんとは仕事をしたくないです。そこにはなんの提案もなければ、なんのこだわりもない。もちろん、僕もカメラのプロなので、かわいいアングルを探して、それなりの写真を撮ることができます。でも、撮影って一緒に作り上げていくものなので。技術は荒削りでもいいんですが、どこかにセンスや可能性を感じさせるというか。おまかせじゃなくて、どこかに自分印をつけて撮影に臨んでくれる美容師さんとだと、お互いに試行錯誤しながら最高のゴールを見つけられる気がしますね。
-そういう意味で、とくに印象に残っている美容師さんはいますか?
AFLOATの宮村さんですね。宮村さんの作るスタイルはすごく華があって、人を惹きつけるんですよね。僕も若い頃は、ヘアの写真がまだまだわかっていなかったんですが、宮村さんに指名していただいて一緒に仕事をするようになって、『ヘアがかわいいと、写真ってかわいくなるんだ!』って。宮村さんはあんなに大御所なのに、『今日のライティングはどんな感じ?』って撮影前に聞いてきてくれるんです。それでそれに合わせてスタイルを作ってくれるんですよね。だから最近では、『宮村さん、この髪型のどこを見せたいですか?』って、先に聞いて、そこからライティングを組み立てるようにしているんです。ヘアカメラマンとしては、ヘアあってこその写真だと思っているので。
AFLOAT宮村さんの作るヘアは華があって、人を惹きつける
-ヘアカメラマンとしては、撮影時にどういうところを見ているんですか?
ヘアのバランスだったり、フォルムだったり、質感だったり。『ヘアがあってこそ生きる写真』を撮りたいと常に思っていますね。
-若い美容師さんで、これから楽しみだなという美容師さんはいますか?
どうしても東京ブレンドのメンバーに偏っちゃうんですけど、GarlandのMAOさんとか、LONESSの原倫子さんとかが頑張っていると思います。あとはBelleの加藤千明さん、ZACCの福間エリサさん。Violetの鈴木麻里さんも、インスタグラムで上がってくるスタイルを見ているのですが、センスがありますね。でも、東京ブレンドのメンバーはラッキーですよね。お店の垣根を超えて、いろいろな一流美容師さんに指導してもらえるし、作品撮りしたいって思えば、僕に撮ってもらえるし(笑)。