「スターにはなれない」。限界を感じるほどの葛藤を経てWilleで見つけた可能性—sai MOTAIさん

 

アニメキャラのヘアを再現したヘアデザインが、多数のアニメ好きから支持を得ている「Wille(ヴィレ)」。アニメに特化したブランディングの背景には、アートディレクターとして活躍したMOTAIさんの存在がありました。

 

Willeのアートディレクターを経て、2019年6月1日からは「sai(サイ)」のオーナー務めるMOTAIさん。高校時代は県有数の進学校へ通い、専門学校で優秀な成績を修めたのち、有名サロンへ入社するなど、一見、順調な道を歩んでいるように見えます。しかし、自分自身の打ち出し方を間違え、理想と現実のギャップに大きな葛藤を味わったことがあったそう。

 

精神的にも限界を感じ「美容師を辞めたい」とまで思ったMOTAIさんが、Wiileで見つけた新たな可能性とは?そして、Willeのサロンブランディングが順調に進むなか、独立を決意した理由とは。

 


 

高校時代は勉強漬けの毎日。親の反対を押し切り、カリスマ美容師を目指す

 

 

美容師になりたいと思ったのは高校3年生のころ。県内有数の進学校に通っていたので、勉強、勉強の日々でした。勉強が嫌いになったわけではないのですが、進路を考えはじめたとき「大学に行ってもその先に就きたい職業がない」と思ったんです。

 

当時は原宿系のファッションが好きで、雑誌のストリートスナップをよく見ていました。その雑誌に登場していた馬場一馬さんがかっこよくて、「この人みたいになりたい!」と憧れていたんです。また、地元でカットしてくれていた美容師さんもとてもすてきな方だったこともあって、「東京の美容専門学校へ行って美容師になろう!」と思いました。だけど、僕はかなり不器用で(笑)。折り紙もろくに折れないような少年だったので、両親には美容学校への進学をすごく反対されました。

 

美容学校時代の目標は、憧れていた有名サロンに絶対就職すること。しかし、実技が苦手で、とても苦労しました。ワインディングでロッドが巻けるようになるまで1年かかったんです。一生懸命やっているのですが、うまくできない僕を見て、先生が「何でできないんだ」と、泣いてしまったこともありました(笑)。

 

でも、「学校を辞めたい」と思ったことはありませんでした。親の反対を押し切って美容師を目指したので、目標のサロンに入らないと合わせる顔がないと思っていたんです。学生時代は、慣れない洋書を見たり、ファッションデザイナーやトレンドについて調べたり、目標のサロンにどうすれば入れるのか分析したり。必死に勉強していたので、実技以外の成績はほとんどAでした。

 

>憧れていたサロンへ入社。しかし、理想と現実の違いに気持ちがついて行けず…

 

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