【プライベートサロン訪問】コサカリュータの新機軸。水のように、変幻自在なデザインをつくる場所、minamoが原宿にオープン
興味があるのは髪の毛をデザインすること、ただそれだけ。
本当にたくさんの方々に助けられて、感謝の気持ちだったり、遂にお店が出来上がったんだなぁという実感はもちろんありましたけど、やっていることは今までと何ひとつ変わりません。興味があるのは、デザインで可愛くすることだけ。何かに集中してしまうと、他のことにはあまり興味なくなってしまう性格なので、今日は今日で、お客さんがたくさん来るから、全員を可愛くしよう!って思うだけ(笑)
周りの人には、よくつかみどころのない変な人って言われますね。自分自身が変幻自在のアイデアマンでいたいし、新鮮な気持ちでデザインに取り組みたいんです。今日は星型にブロッキングしてみるかーってやってみたら、意外と可愛いじゃんってなって実際にお客さまにやってみたり。この色を出すには…って考えるのではなくて、こんなふうにやってみたら可愛いかもって思ってやってみたり。ハート型はどうかなぁってやって、これは微妙だからやめておこうとか(笑)
お客さまがいて初めてデザインが成り立つ場所、それがminamo。
minamoは無限に広がるデザイン性をコンセプトにしているんですが、美容師を続けていく中で、自分自身のデザインに対する考え方も変わって来たのかなって思います。美容師の大半は、技術やデザインに対して色々な情報を集めて、自分の中に落とし込んでいくような吸収タイプの人の方が多いと思うんです。僕自身も、美容師を始めた頃は先輩に教えてもらったり、業界誌のデザインを真似したりしていました。SHACHUに入ってからは、アニメキャラとか自分の好きなものと、お客さまのやりたいことを掛け合わせるような、ハイブリットなデザインを意識していました。
でもこれからは、今までのスタンダードを変えたいなと思っています。引き算だったり、僕の中に潜在的にある“クセ”をデザインに活かしていきたいなと。なので、色々な情報を入れすぎると自分のセンスが濁って、自分らしさがなくなってしまう気がするので、極力まっさらな状態でいたいなと思ってます。“他の誰かの何か”を混ぜて濁らせるんじゃなくて、自分が湧水になって、デザインをアウトプットしていきたいですね。精神的にも技術的にも、周りに左右されないのが自分のいいところだと思っているので、このスタンスは続けていくつもりです。
ロゴを作ってもらう時に、minamoってどんな状態なの?ってデザイナーから聞かれたんです。石を投げた時のように輪が広がって、既にデザインされている状態の水面なのか。もしくは水がピンと張って何もないフラットな状態の水面なのかって。自分的には、後者なんです。
僕が水面で、この入り口のフラットなドアからお客さまが雫として入ってくる。その波紋の形状は、人によって変わる。輪の大きさも違うし、数も違う。お客さまがminamoに入ってきて、デザインができるという感じです。お店の内装とコンセプトは表裏一体なので、自分自身もこだわったし、ディレクションの方もこだわってくれて、大変だったけど、本当に突き詰めて良かったと思います。