「メンズヘアの達人です」と公言!  1年間で2000人をカットするメンズヘアのスペシャリストに直撃! ―SARY畑成美さん

 

男性比率の高い女性美容師のほとんどは、意図しないまま、結果を見たら比率が増えていたというのが実情ではないでしょうか。そんな中、今回登場するSARY(サリ)の畑成美(はたなるみ)さんは、「私はメンズカットの達人です!  私が世界中の男性をかっこよくします」と公言するほど、メンズカットに魅入られ、メンズ顧客をターゲットに定めているそう。

 

なぜメンズにこだわるのか? そしてその自信の源とは? 率直な疑問からメンズ専門スタイリストとしての野望まで、あらゆる角度から迫りました。

 


 

尊敬する先輩が、私の個性を伸ばしてくれた

 

 

私がメンズスタイリストになったのは、SARYのオーナーである田中一輝の言葉がきっかけでした。田中と出会ったのは、まだ美容学生のとき。勉強のためにさまざまなサロンを巡っているときに、担当だったのが田中でした。「この人と一緒に働きたい!」と強く思い、学生時代はずっと客として通いながら入社試験を受けたんです。しかし、晴れてそのサロンに就職できたにも関わらず、まさかの入れ違い。田中は他のサロンに移ってしてまっていました。

 

そのサロンでアシスタントとして働きながらも、田中にはことあるごとにさまざまなことを相談してきました。私がカット、その中でも特にショートスタイルが好きなことや、ファッションもメンズっぽいカッコいい雰囲気が好きなことなどを話すうちに「それを打ち出していけばいい」というアドバイスをもらったんです。そのとき、自分の目指す道はメンズかも、と思うようになりました。

 

その後、田中を追いかけてサロンを移り、そこでスタイリストデビューさせていただいたのですが、お店でも“メンズカットに特化したスタイリスト”という打ち出し方をしてくれたので、認知されるのは早かったと思います。

 

実は、最初は女性のお客さまも担当していました。でもブログなどで“メンズ専門”ということを積極的に発信していった結果、1年間でお客さまの98%が男性になりました。

 

メンズ客はどこからやってくる?

 

 

2017年の10月に田中がSARYをオープンさせました。建築家の谷尻誠さんによるクールな空間、お客さま一人ひとりとじっくり向き合うことができるスタイルが、男性のお客さまにも好評で、モードファッションや建築が好きなお客さまが増えました。

 

お客さまの年齢は10代から50代までバラバラですが「メンズが得意って書いてあったので」とか「彼女から、この人はメンズ専門だからと言われてきました」とおっしゃる方がけっこういますね。

 

あと、実は男性ってサロン選びに悩む方が多いんです。女性の場合は自分がキレイになりたい、このスタイルがしたい、という動機でサロンを選ばれる方が多いと思いますが、男性の場合は担当する人がどんな人なのか、そのサロンに行って場違いにならないかなど、不安を抱えていらっしゃることが多くて。

 

そんな人たちにとって、私がブログやSNSで「メンズ専門です!」と宣言していることって、安心材料になり、来店につながるんです。また、ブログにはヘアスタイルだけでなく、仕事への思いや日常のことなどざっくばらんに書いています。そのおかげで私の性格も知って来店してくださる方も多く、初対面でのコミュニケーションもスムーズに行うことができます。中には、それでも来店まで心配…、と思われているお客さまもいます。そういう方にはLINEでやりとりをして、事前に不安を払拭できるように努めています。

 

>メンズ客が多いからこそ、気をつけていることとは?

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