育児と仕事の両立するママ美容師のキャリアとは？ 人気サロンの女性美容師4人に聞いた「産休育休を経て変化したこと」
産休・育休があったからこそ、お客さまに必要とされていると強く感じられた －broocH 杉山由夏さん
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産休期間：2016年5月〜7月（約2カ月）
育休期間：2018年7月〜2019年4月（約9カ月）
合計期間：約11カ月
―サロンやお客さまにお伝えした時期は？
一度流産を経験していたので、必要に応じて無理せず調整できるように、心拍確認後すぐサロンオーナーに相談しました。スタッフに伝えたのは安定期に入った5カ月ごろ。お客さまへもその翌月の6カ月ごろから徐々に伝えていきました。
―出産前に不安だったことは？
長くお店を休むのは、産休が初めてだったので、復帰後にお客さまが帰ってきてくれるのかという不安がとてもありました。
―出産前に準備したことは？
SNSで産休・育休の予定や自身の状況、復帰タイミングのインフォメーションを積極的に行っていました。また、復帰に向けて産後すぐから保育園の見学や説明会に行ったり、区役所に行って保育園を選ぶ基準などの情報をもらいに行ったりしていたこともよかったです。
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ママ特有の髪のお悩みを解消、手軽にオシャレを提案
産前は10:00〜21:00で勤務していましたが、育休復帰後は保育園のお迎えに合わせて9:00〜18:00の勤務に変えました。そのため、サロンでお客さまをご担当できる時間には制限があります。そこで、予約可能な時間をSNSでインフォメーションするようになりました。
限られた時間の中では今までと同じように対応することは難しいので、オーナーと相談し、一人のお客さまをカウンセリングからスタイリングまですべて一人で対応するスタイルに変更。今まで以上にお客さま一人ひとりと向き合いながら仕事させてもらっています。働ける時間が短い分、より一回一回を大切に思えるようになりました。
復帰後は自身の年代もあり、同じように出産しているママのお客さまが増えました。お客さまからママ特有のヘアの相談を受けることも増えています。実体験があることで、自分からもママのヘアの悩みに対する提案や発信をしやすくなりました。
小さな子どもがいると、抱っこして家事をするときなど、髪を一つに束ねることが増えます。また、朝アイロンで巻いたりする時間も取れません。だけど、やっぱりオシャレはしたいもの。そこで、例えばインナーカラーを入れれば髪をおろしていても結んでいても、手軽にさりげなくオシャレになると提案したりしています。
お客さまの声に、サロンに立つ意義を見出した
育児をしながらの仕事は、子どもが体調を崩し、お客さまにご予約を移動していただくこともあります。最初のころは思い通りにいかないことに「復帰は早すぎたかな…」「子育てしながらの仕事って成り立つのかな…」と、ジレンマも感じました。
でも、担当したお客さまから「杉山さんにやってもらえて、うれしい」「杉山さん以外の美容師に担当してもらうのは、考えられない」といった声をいただいたんです。とてもうれしかったし、私は必要とされているのだと感じられ、子育てと両立しながらでも自分がサロンに立つ意義を見出しました。
私の理想は、ずっと美容師としてやっていくこと。今後、子どもが大きくなるにつれ仕事の自由もききやすくなってくると思います。そのときに、今まで通ってくださっているお客さまとより深く、幅広く接し、お客さまの人生に寄り添って、ヘアから日々を輝かせられる人でありたいです。
お客さまとの時間でリフレッシュ！ 仕事が育児に、育児が仕事にポジティブに影響
子育てと仕事の両立に不安を抱いたこともありましたが、今では両立してよかったと感じています。もし子育てだけだったら、家で子どもと2人きり。どんなに子どもがかわいくても、煮詰まったりイライラしたりしてしまい、子どもにもキツく接してしまうこともあるかもしれません。
私にとって、サロンでのお客さまとの時間はリフレッシュの時間。仕事をしているから、自身もストレスを抱えたり視野が狭くなったりせずに、子どもとの時間もご機嫌で大切にできていると思います。
子育てと仕事の両立は難しいと思っている方が多いですが、大間違い。とてもハッピーなことだらけです！ これからママになろうとしている美容師のみなさんも、子育ても仕事も楽しんでくださいね！
プロフィール
broocH
スタイリスト／杉山由夏（すぎやま ゆか）
美容師歴15年。東京美容専門学校卒後、都内1店舗を経て2000年のbroocHオープンに参加。気取らないナチュラルな雰囲気のニュアンススタイルが得意。ラフなスタイリングで日々楽しめる再現性の高いカットを心がけている。自身が経験した産後ママ特有のヘアの悩みのご相談・提案が好評。
Instagram： @u_ka072
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