個の時代にあえて言う! チームでサロン経営する理由。次世代経営者・Lily柳本剛さんの経営哲学とは?

「サロン」とは特注の部品が集まった最高の車のようなもの

 

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-美容業界全体を見ていて課題に感じること、柳本さん世代で変えていけるのではと思うことはありますか。

 

「業界」というとどうしても自分たちのためという感覚になってしまって、僕はあまりなじめません。僕らがなんのために働いているかというと、それはお客さまのためですよね。1人ひとりがお客さまのためにと本気で思えば、求められている方向に勝手に変わっていくと思っています。だから何をしようというよりも、僕らができることを必死にやろうという感じです。

 

-みんなが気になっているカット料金についても教えていただけますか。なぜ27,000円という高単価にしたのか、そしてお客さまの反応はどうだったのか。

 

単純にこの金額が妥当だと思ったからです。自分が納得できる料金でやりたいので、価格改定を行いました。フリーランスのときに7,450円から始めて、9,720円、10,800円と改定をしていって、現在の料金になりました。これまで値上げをしたことでお客さまが減ることもなく、美意識の高いお客さまが増えたという印象です。

 

美容師にとって料金は自分の価値そのもの。だから高価格は目標というよりも、自分の立ち位置を見つめた結果です。自分の立ち位置はどこだろうというのを僕はずっと考えていて、今年もう一度値上げをする予定でいます。

 

-最後に、フリーランスも経験した柳本さんにとって「サロン」とはどういう場所ですか?

 

特注の部品を集めて最高の車をつくるという感覚です。いま社会全体に個人で生きていこうという空気がありますが、個人というエンジンばかりでは車は動かないし、1人では最高の車にはなれません。

 

自分が得意な分野でちゃんと輝いて、そのうえで輝いている他の人たちと組んでひとつの特注の車、つまり専門特化サロンになるほうがいいと僕は思っています。

 

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プロフィール
Lily
代表・美容家/柳本 剛(やなぎもと つよし)

2014年『Lily』オープン。くせ毛・縮毛矯正の匠であり、1万人以上のくせ毛を扱い辿り着いた、独自のヘアケア理論を持つ。一昨年にはカット料金を27,000円に引き上げ、話題に。いま注目の30代経営者の1人。

(取材・文/福田 真木子  写真/河合 信幸)

 

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