個の時代にあえて言う! チームでサロン経営する理由。次世代経営者・Lily柳本剛さんの経営哲学とは?

美容師だからこそお金に強く、美容室だからこそお金の話はオープンに

 

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-本を出された“美髪アドバイザー”の寺村優太さんをはじめ、個性の際立ったスタッフの方が在籍されています。みなさん、柳本さんのプロデュースが入っているのでしょうか。

 

基本的には放任です。まずは本人がどうしたいのかが大事ですからね。みんな何かしら強い思いを持っているので、「じゃあそれを伸ばそうよ」というように方向性を決めていっています。

 

うちは店長、副店長といったランクを示す肩書きがないんですね。その代わりに得意分野がわかるような肩書きをつけています。“美髪アドバイザー”、“くせ毛マイスター”、“薄毛コンサルタント美容師”というように。得意なことを伝えてお客さまに選んでもらいやすいようにしているんです。お客さまからすると、“店長”と言われても「それで何が得意なの?」という感じだと思うんですよね。

 

-柳本さんが一緒に働きたいと思うスタッフの条件を教えてください。

 

『Lily』を立ち上げたときから、個人的な発信力、影響力を持った人を集めたいというのがありました。それは今も変わっていません。個人では限界があるのがわかった上でやるのだから、強い個人同士が集まらないと意味がありません。強い個人が集まることで、1人ではできない大きなことを成し遂げたいのです。集客に関してもうちは看板もありませんし、集客サイトも一切使っていません。だから個人力は必須条件ですね。

 

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-その他、教育で力を入れていることはありますか。

 

出資の話につながりますが、お金に関する教育はきちんとするようにしています。僕も自分の給料もスタッフに公開していますし、サロンのお金の流れも全員で把握するようにしています。数字の部分をオープンにすることで興味や理解につながりますし、自分の役割も認識しやすくなります。

 

隠してしまうと逆に「オーナーだけ儲けているのでは」とか、「悪いことをしているのでは」といった、不平不満や疑心が生まれがち。なんなら僕は個人のほうの通帳も見せられますよ。

 

-お金の勉強というとすごく難しそうな気がしてしまいます。

 

そんなことないですよ。うちでは普通の会話と同じように、お金や経済の話もするようにしています。そうするとみんな自然と興味を持つようになっていきました。

 

また、うちは全員業務委託なので、毎年それぞれで確定申告をしています。そのときに税金や保険、年金をどれだけ支払っているかの実感も得られて、良い学びになっています。お金のことをリアルに感じられると、そのぶん責任感も湧きます。「働かされている」というような意識を持つこともなくなるように感じています。僕もわからないことがたくさんあるので、一緒に勉強をしながらお金の知識をつけていってもらっています。

 

-さきほど「オーナーだけ儲けやがって」というフレーズが出てきましたが、オーナーである柳本さんはそういった声をどう捉えていらっしゃいますか。

 

僕はオーナーはスタッフよりも稼ぐべきだと考えています。オーナーが稼げていることが余裕のある経営につながり、働きやすい環境につながると思うからです。教育にしても経営にゆとりがなければ、売上げ至上に走るしかなくなり、適切なタイミングで能力を伸ばしてあげることもままなりません。僕の場合は役員報酬というかたちで『Lily』から給料を得ていて、その金額は他のスタッフよりも低いです。だけどそれは他に収入源があるからにすぎません。その収入も含め、スタッフにオープンに伝えています。

 

 

>そもそも「サロン」ってなんのためにあるんだろう?

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