個の時代にあえて言う! チームでサロン経営する理由。次世代経営者・Lily柳本剛さんの経営哲学とは?
夢を追いかける美容師のための新プロジェクトが始動!
-スタッフのみなさんと共有している夢とはどういうものですか?
夢というか、近い目標だと6月に自社ヘアケアブランドの発売がスタートします。これの普及をがんばりたいというのが全員の思いです。そして実はこのヘアケアブランドのスタート自体が、『Lily』の大きなプロジェクトの第一弾でもあるのです。
-どういうプロジェクトなのでしょうか。
サロン内起業です。このヘアケアブランドは僕と数人のスタッフが出資しあう形でスタートています。ねらいとしては、個人の売り上げ以外にもスタッフが収入を得られる仕組みをつくりたかったんです。
美容師の仕事は体が資本ですよね。病気や事故などで働けなくなったときのリスクが常につきまとっています。そうなったときの収入源をつくれたらというのを昔から考えていました。今後、どんどん他のスタッフにも広げていきたいですし、新たなプロジェクトも実行していきたいです。
-次のプロジェクトもすでに決まっているのですか?
ヘアケアブランドからの発展だと、ボディソープもほぼでき上がっています。でもそれだけじゃなく、スタッフもそれぞれにやりたいことがあるんです。だからそれが賛同できるものであれば、みんなで出資し合ってやっていくことになると思います。
お金だけじゃなく、人としてのさまざまな能力を出資し合うのですから、1人でやるよりも格段に大きな力になりますよね。そうすればより実現に近づけるじゃないですか。僕自身、1人では叶えられない夢があります。だからみんな手伝ってよ、という感じです。
-柳本さんの大きな夢、聞かせていただけますか。
「美をもって世界を救う」的なことが、ずっと僕の中にあるんです。それを実現していきたいです。
具体的なことを言えば、僕らの次の展開はアジアでやりたいという思いがあります。原点になっているのは、数年前にバリ島の孤児院にカットをしに行った時のこと。バリ島の人の髪はクセがすごく強いとは聞いていたのですが、「クセ毛は得意だし大丈夫」と思っていました。でも実際に行ってみたら、カットで収められるようなクセではなくて、結局男の子の髪しか切れなかったんです。
そのときに彼女たちがさらさらのストレートヘアになったら、人生が変わるんだろうなと思ったんですね。それからずっとアジアで縮毛矯正サロンをやろうとか、学校をつくるのもいいなとか、そういうことを考えています。
当然ながらこれにはある程度の資金力が必要です。だからまずはみんなで収益をちゃんとあげて、一人ひとりのお金で海外に出て行こうよと言っているんです。
-日本での店舗展開は考えていないのですか?
現時点では考えていません。日本の女性はすでに、女性としての自分の価値をじゅうぶん知っていますよね。でもアジアには今でも、そういった認識を得る機会にすら出会えていない人たちが多いのではないでしょうか。そういう人たちに自分の女性としての価値に気づいてもらうことができたら、それこそ美容師冥利に尽きます。
女性が輝いていると、その国の経済も活性化するというのが僕の持論。美容の仕事ってそんな大きなところにも影響を及ぼせる可能性があるんですよ!