わたしがもらった東京の激戦区で生き抜く力を後輩にも―オーナーとわたし。女性美容師の右腕物語 LILI山本真梨子さん―
お店を変えるとか、店舗が増えるとか、役職が変わるとか。環境の変化って、自分を成長させる近道です。でもずっと同じサロンで働いていると、なかなかそういう変化には出会えないですよね。わたしもずっと同じような環境で働き続けてきて、自分を成長させるには、自分が変わらないといけないんだと思うようになりました。
さっき話したように、自分の役割や三好との関係性が変わったのは、自分でチェンジしようと決めた部分もあったんです。
変わらなくてもそのままやっていけたのかもしれません。でもそうしていたらきっといつか飽きていたし、成長も止まってしまっていたはず。同じところでやり続けている人間は、地味にでも、自力で自分を変えていかないといけないんです。どんどん環境を変えていく人とはまた違う、ずっと続けている人間にしか見つけられないことを見つけられたらいいですね。
わたしの秘策は「ひとつのことをやり続ける」
辞めたいなとか、もう無理だなとか、気持ちの波はやっぱり何度もありました。でも悪い時期があったら、絶対にいい時期がくるんです。調子が悪いときに何かを決めるのは良くないと思っていて、そういうときには何かひとつを決めて、それをやり続けるというのをやっています。お店に一番早く毎日くるとか、同じテーマで作品撮りをし続けるとか、なんでもいいんです。とにかくいい時期がくるまでそれを続けて、いい時期がきてもまだ無理って思ったら考えようというようにしておくんです。
はじめてそれをやったのは、アシスタントのとき。究極的にお店に行くのが辛くて、お店にちゃんと行くように、毎日カギを持って帰りました。そのうちに、「あ、がんばろう」と思えるようになったんですよね。何かをやり続けるというのは、そのときからの習慣です。
ただこれはわたしなりの方法なので、みんなに同じようにやることをすすめているわけではないです。スタッフに対しては自分なりの方法を見つけるための手助けをしてあげること、耐える力をつけてあげることを大切にしています。