わたしがもらった東京の激戦区で生き抜く力を後輩にも―オーナーとわたし。女性美容師の右腕物語 LILI山本真梨子さん―
激戦区で耐え抜ける美容師を育てるために
三好ともよく話すのですが、やっぱり東京のこの激戦区でやっていける人を育てるには、スタッフにストレスをかけていく必要があると考えています。ストレスって、なんて言えばいいんだろう……。緊張感とか、追われている感とか、そういう感じでしょうか。
「大丈夫だよ、明日できるよ」って、笑って励ますのもダメではないです。でもそればかりだと、なぁなぁになってしまって、その子が自分自身を見つめなくなってしまうんですよね。苦しい思いをしないで成長するなんて、ありえない。だから必要なときに壁をつくってあげたり、日々ストレスをかけるのが私の役目だと思っています。厳しくするのは、こっちにとってももちろんストレス。でも一時的に嫌がられてもその子が良くなれば、まぁいいかなって。わたし自身、そうやって育ててもらって、あれがあったから乗り越えられると思えたことがたくさんあったので、嫌がられてもやり続けます。
「LILI」には東京以外の地方からきてくれているスタッフが多いんです。だからこそ何のために東京・原宿にきてがんばっているのかというのを、忘れてほしくないんですよ。わざわざここまできたのにぬるま湯につかっているのなら、帰ったほうがいいんじゃないって思っちゃうんですよね。