【20代経営者TAKUMA】ハイトーンスペシャリストで2店舗を展開するオーナースタイリストが、お客さまのために次に目指すもの
現在、原宿に『LiL Raum(リルラウム)』、神奈川・溝の口に『LiL elns(リル アインス)』の2店舗を展開するTAKUMA(タクマ)さんは、ハイトーンのスペシャリストとして活躍するオーナースタイリスト。老舗サロン出身で、好きだったハイトーンを独学で地道に極めていったというTAKUMAさん。27歳で経営者になり、2年で2店舗目を出店、さらに今年は3店舗目を準備中とのことで、経営も順調。そんなTAKUMAさんのこれまでのキャリアを深掘りしながら、今後新たに仕掛ける新しい挑戦にも迫りました。
下積みを経て、尊敬する先輩の独立出店に参加
――TAKUMAさんは、意外にも老舗のチェーン店出身だとか。何年そこで下積みをされていたのでしょうか。
デビューカリキュラムがちょうど終わる頃に離れたので、2年ですね。東京・吉祥寺にあったサロンで、スタッフもお客さまも年齢層が幅広く、それこそブローやアップスタイルもやっていました。営業ではあまり使わない技術も学びましたね。逆にブリーチをするような機会はありませんでした。
その老舗サロンに、僕より3歳上のすごい先輩がいたんです。技術も売上も飛び抜けていて、醸し出す雰囲気も全然違うというか。その先輩にずっとレッスンしてもらっていたんですけど、売れるのは理由があると思っていたから、なぜこの人は売れているんだろう?と、いつも近くで観察していました。
その先輩が25歳のときに独立出店することになって、話を聞いたら目指す方向性も面白そうだったんですよね。ゼロイチで作り上げる環境にもワクワクしたので、俺も行きます!と手を挙げて。それが、いま大きな組織へと成長したONE’sグループです。
――そうだったんですね!では、オープニングから参加を?
はい。グループ2店舗目となる高円寺店のオープニングに参加しました。8席ほどのスペースでしたが、昼も夜も街に出てチラシを配り、泥臭く集客して。すぐにお客さまでいっぱいになりました。その頃は”外国人風カラー”が流行っていた時代で、そのエリアにはハイライトとかバレイヤージュをやっているサロンがなかったんです。だから、ニーズがあったんですよね。
僕は、ブリーチを使った高彩度のデザインカラーやハイトーンを打ち出していました。もともと色が好きだったので、色遊びのような感覚ですね。ブリーチは表現の選択肢が増える分、夢中でしたね。それに美容師はイケてるものだと思っていたので、自分自身のヘアも奇抜なスタイルにしていました(笑)。いずれ後輩に教えたいという気持ちもあったので、サロン内の第一人者になろうと思いハイトーン推しでいこうと。
――7年前からハイトーンを打ち出していたんですね。技術はどのように学んだのですか?
基本的には独学ですが、セミナーにも積極的に足を運んで情報収集しました。有名美容師さんが講師を務めるセミナーでは、毎回最前列に座っているのが僕です。そこで学んだことをサロンに持ち帰り、自分なりに復習するんです。
最初の頃は毎晩ウィッグにブリーチをして、カラー剤を一本ずつ試していました。ある程度できるようになってからは、モデルさんを呼んで人頭で施術して。回数を重ねて、理論を確立させていきました。サロンでお客さまの切った髪を集めて、状態別に毛束を分けて実験もしましたね。髪の履歴によっては、色が再現できないこともあるので、そのデータを分析していったら肌感覚で理解できるようになりました。高円寺は音楽関係やファッション系など個性的なお客さまが多かったので、ハイトーンは喜ばれましたね。