ガンを克服し、25歳で上京。新天地・渋谷でトッププレイヤーとして活躍! ーL.O.G SHIBUYA 藤野 慎太郎さん 後編ー
24歳で結婚し、子供も生まれ、美容師として父親として、充実した日々を送っていた藤野さん。ガンが再発したときは、大きな失望感に包まれたものの、大手術を受けることを一大決心。
退院後は、残された人生を精一杯生きたい。そして藤野さんが選んだのは、憧れのL.O.G SHIBUYAで働くことでした。27歳で上京し、現在はL.O.G SHIBUYAの店長として活躍する藤野さんが、自ら実践する攻めの人生を語ってくれました。
インタビューは前編・後編の2回、今回は後編です。
ガン再発。絶望の淵にいた自分を救ってくれた親友の言葉
苦しみ抜いた抗がん剤治療を何とか耐え、半年後に晴れて退院を迎えることができました。退院後の体調は、かなり回復していたと思います。今まで仕事を休んで家族に心配や迷惑をかけた分、頑張って働いて再出発しようと決意しました。そして再び、地元・栃木県内のサロンで美容師として働き始めたんです。
ですがそんなふうに上手く事は運びませんでした。退院から半年後、再発していることが分かったんです。失望感で、目の前が真っ暗になり、その状況をなかなか受け止めることができませんでした。そんな僕を救ってくれたのは、親友です。親友が誘ってくれたセブ島旅行中に、いろいろな話をしました。「この旅行が人生で最後の思い出になるのかな」と感傷的だった僕に対して、親友は「治る可能性がある手術があるなら、絶対に受けろ!」と力強く背中を押してくれました。親友のおかげで、もう一度、ガンに向き合ってやろうという強い闘志がわいてきたんです。
一大決心し、半日がかりの大手術に臨む。
二度目は、後腹膜リンパ節郭清術(こうふくまくリンパかくせいじゅつ)という半日がかりの大手術になりました。背中にある大きなリンパを切除するのが目的なのですが、背骨がある背中からメスを入れることはできません。そこで開腹し、臓器を取り出した後でリンパ節を切除するという難易度の高い手術で、全身麻酔で眠っている間に行われました。
手術後、目が覚めたときの驚きは忘れられません。祖父母、両親、兄弟、妻の全員が自分の顔を覗きこんでいました。そして僕の全身は10本くらいの管に繋がれて、腹筋が使えないために身動きがとれないんです。それでも手術が終わってよかった。家族みんなと会えてよかった。生きていてよかった、という幸せをかみしめていました。
東京で働くという夢を叶えるため、家族と共に上京。
実はL.O.G SHIBUYAの代表のゆうきさん(長山ゆうきさん)は、足利デザイン・ビューティ専門学校時代の一つ上の尊敬する先輩なんです。手術を受ける前、ゆうきさんに会ったとき、もしガンが治ったら一緒に働かせてくださいと話していました。
自分の人生だからこそ後悔したくない。いつ死ぬか分からないからこそ、自分がやりたいと思うことは何でもやってみよう。ガンを経験したことで、そんなふうに自分の考えが変わりました。もしガンになっていなかったら、今もきっと栃木で働いていたと思うんです。
東京で働くという夢を、夢で終わらせたくない。
夢の実現のため、家族を説得し、奥さんと息子との3人で東京にきました。
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