ジャイアン気質のおてんば娘を人気女性美容師LECO田中萌子に変えたコトダマたち

「ありがとう。モエが入ってくれてよかった」

 

 

専門学校卒業後、学校の推薦で都内のサロンに入りました。でも「ここでは私のやりたいことができないかも」って思ってしまったんですね。

 

そのとき連絡した友達が、前職のサロン「hair salon dot. tokyo」を紹介してくれたんです。お客さんとして行ってみたら、会社の代表や店長がすごく素敵な人でした。それで「ここで働きたい!」と思ったんです。

 

代表がとにかく熱くて素敵な人で、「町田で一番の美容室をつくる。最終目標は東京ナンバーワン」と言っていました。私は一番っていう言葉の響きが大好きだし、やるからにはてっぺんを目指したいタイプだから、すごく惹かれたんですよね。

 

都心からちょっと離れた場所で、伸び伸びと美容に打ち込むことができたのは、私にとってすごく幸運なことだったと思います。

 

 

サロンの代表は本当に一人ひとりのスタッフを大切にする人でした。何かあるたびにみんなに「ありがとう」と感謝していて、私も「ありがとう。モエが入ってくれてよかった」と言ってもらいました。

 

その当時の私は、美容に対して一生懸命だったけれど、どんどん意見をするし、かなり生意気だったと思います。でもそんな私の話を代表は真剣に聞いてくれていたし、アイディアを聞き入れてくれました。実際にデザインカラーの店舗をつくって私に任せてくれるなど、信頼してサロンづくりに参加させてくれたんです。

 

だから辞めるときは絶対に円満退社になるようにしたいと思ったし、実際にオーナーと内田さんが話し合いをして、納得した上で送り出してくれました。おかげで今も前サロンに顔を出してみんなと会うことができます。本当に感謝しかないです。

 

「贔屓したわけじゃないよ。いいと思ったから選んだんだよ」

 

 

高校時代に挫折を味わった私は、美容業界に入ったら有名になりたいと思っていました。目標にしていたのはLECO内田さん。内田さんが審査員をするコンテストにはガンガン出場していました。

 

また、内田さんがDJをしているイベントにも足を運んで、自分の存在をアピールしていたので顔見知りだったんですよね。内田さんからすれば、よくクラブに遊びにくる女の子くらいのイメージだったと思うんですが、美容師として認められたかった。なので「内田さんが好きなヘアスタイルってどんな感じだろう?」と考えながら作品をつくっていたんです。

 

念願がかなって、内田さんから特別審査員賞を受賞することに…。表彰台で内田さんから、「贔屓したわけじゃないよ。いいと思ったから選んだんだよ」といわれた瞬間から、内田さんのその言葉が、ずっと私の頭の中でリピートしました。それまでの努力がやっと報われた気がして涙が溢れましたね。

 

今も、あのとき内田さんに言われた言葉と、そのときの声が心に焼き付いています。

 

 

 

プロフィール

LECO

スタイリスト/田中 萌子(Moeko Tanaka)

1994年生まれ。茨城県理容美容専門学校卒業。ダメージを最小限にした艶髪ハイトーンを得意とし、アシスタント時代にカラー売上300万越えを達成。デビュー後も10代後半から20代前半の女性から絶大的な人気を誇り、予約殺到の女性スタイリスト。ストイックな性格を武器に、インスタグラムの投稿も注力し、ヘアカラーのテクニックやスタイルのセンスなど同業者からも注目されている。現在フォロワー2万越え。

Instagram: @leco_moe

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