美容師のコトダマ 「美容師としてこうあるべき」という思い込みは富士宮で捨ててきた NORA Journey 阿形聡美さん

似合わない髪型もなんとか似合わせるのが本物の美容師

 

 

NORA Journey代表の田中の言葉にもかなり影響を受けています。デビューしたばかりの頃に、わざわざ北関東のあるところから新規客として来てくださった男性のお客さまがいました。その当時はロバートの馬場さんの髪の毛が緑色だったのですが、そのお客さまも緑にしたいとおっしゃったんです。

 

私は「すごくおしゃれをしようと思って表参道まで来たのにいいのかな?」と思ってしまいました。全部緑色にするのはあんまりおしゃれじゃないと考えていたし、敏感肌の持ち主で荒れているから、あまりブリーチしたくなかったんですよね。だから、「ポイントでブリーチして、緑にするのがいいんじゃない?」と提案し、そういうデザインにしたんです。

 

 

代表の田中は、カウンセリングからずっとやりとりを聞いていたんです。お客さまをお見送りした後、「お客さまに言われた通りにやったほうがいい。せっかく楽しみにして、やりたいスタイルを言っていたのに、それを否定してはいけない。どんなに似合わないと思っても似合わせるのが美容師の仕事だから」と言われました。

 

お客さまの要望とは違ったかもしれませんが、自分なりのお客さまの顔の色や、お顔立ちに似合うかどうか考えてやった結果だったんです。だから、めちゃくちゃ悔しくて、また号泣しました。ただ、やっぱりお客さまはリピートしてくれなくて…それが結果だよねと思いました。

 

それからお客さまの気持ちに寄り添うようにしました。基本的にご要望を否定しないようにしています。難しいと思っても「似合わない」と言うんじゃなくて「似合わせる」。昔はお客さまに似合うかわからないものに関しては躊躇することもあったけど、今では「いいじゃん、やろう」と言えるようになりました。

 

>武道館のステージを控え、ナーバスになっていた私を救った一言

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング