美容師監修の日本製品「恋する珠肌はんどくりーむ」がアメリカでの成功を掴むまで

︎ NYの一流企業でどれくらい通用するのか試したかった

 

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—まず、「恋する珠肌はんどくりーむ」と星野さんとの出会いについてお聞かせください。

 

星野さん:元々、前職で理美容業界の国際化を推進する事業に携わっていたのですが、そのなかで『日本のよいものを海外に発信しよう』というkyomioriのブランド設立に立ち会い、私自身もその商品を海外へ紹介するという活動を手伝っていたんです。

 

その後私は前職を退職、そしてその1年後に『恋する珠肌はんどくりーむ』が誕生したのですが、私がプロジェクトの立ち上げから関わっていたこともあり、当時の担当者からプレゼントでハンドクリームをいただいたんです。これが私とハンドクリームとの出会いですね。

 

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—なぜハンドクリームを海外でも販売したいと思ったのでしょうか?

 

星野さん:もちろんハンドクリーム自体もすごくいいなと思ったのですが、それ以上に、「日本のよいものを海外に発信しよう」というkyomioriの想いに強く共感したんです。

 

私にとってニューヨークはたまたま嫁いだ地だったのですが、ここは多様な人種や言語、価値観、美意識、食文化に至るまでが混在し、その中でさまざまな分野で頂点を目指す人々が集まるエネルギッシュな街です。ここにきてからは、これまでの自分のキャリアやスキルがどれくらい通用するかここで試してみたいという思いがありました。

 

また、ニューヨークでの暮らしを通して日本のよさや素晴らしさをあらためて感じるようになっており、この地で試すなら「美容で日本の何か」と決めていたのですが、幸運なことにそのタイミングで出会えたのが珠肌はんどくりーむだったんです。

 

—実際に「バーニーズニューヨーク」での販売を可能にするまでの経緯をお聞かせください。

 

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星野さん:ハンドクリームをアメリカでも売りたいと思った当時は、まだニューヨークにきて1年くらいで、人脈もありませんでしたし、仕事をしていたわけでもありませんでした。

 

ですので、最初は『もらっていただければいいかな』くらいの気持ちで、いくつかの企業やサロンに直接お持ちしたり、知りあいを通じて紹介してもらったりしていたんです。

 

そうしたら、バーニーズのバイヤーから前向きなお返事をいただけたのですが、これは常にユニークで新しいものを探し、お客さまに提案する、というバーニーズの企業文化があったからだと改めて思います。バーニーズの常にチャレンジする姿勢のなかで、このハンドクリームが認められたというのは日本人にとって誇りに思いますし、私自身の次のチャレンジへの大きな自信となりましたね。

 

—店頭に商品が並ぶまでに、どのような苦労がありましたか?

 

星野さん:バーニーズ自体も日本の商品を輸入するのが初めての試みだったのですが、現地にはアメリカ食品薬品局(FDA)という政府の機関があって、海外の化粧品や食品、医薬品を輸入するときにはそこの輸入許可を得ないといけないんですね。

 

ただ、許可を得るには成分、パッケージの表記、表記のフォントや文字サイズなど、ありとあらゆる規定をクリアしなれければならないので、そこが大変でした。結局、本社で商品の説明をしてから店頭デビューまでに1年はかかりましたね。

 

—本社での商品プレゼンはどんな気持ちで臨まれたのでしょうか?

 

星野さん:ニューヨークで暮らすなかで、現地での日本の商品・サービスに対する信頼感や興味の高さは感じていましたが、プレッシャーはなく、むしろニューヨークの一流企業でどれくらい通用するのかなという、試してみたい気持ちの方が強かったですね。

 

もちろん、本社に行くまでには、今までの自分の成功や失敗の体験を総動員して、商談の展開パターンをいくつも書き出しましたし、商品についても自分が得られるだけの情報をリサーチしました。ただ、わくわく感と成功イメージをがっちり持って臨んだので、プレゼンは緊張することなく、楽しく行えました。

 

>国内でも海外でもチャンスを開く美容師とは?

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