木村直人さん、なんで独立しないの?

自分のスタイルを必要とするお客さまと出会えた機会をくれたのはair

 

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移住して、ハサミとスマホだけを持って、働くことが今の夢?

 

今の生活って、幸せは幸せだけど、本当の意味での安息ではないって思うんです。僕は基本的にはあくせく働きたくないので、週の半分は休んで、週の半分は仕事をするというのが理想。でも、現状はそういうわけにいかないし、週6日とか、下手したら休みなしとかで働いています。

 

それこそ、独立したら、自由に休みが取れるのでは?と思うのですが。

 

そうなんですけど、それは今のタイミングではないな、と。気持ちの上で休みたい気持ちはあるけど、休みがないからといって不満に感じるほどではないんですよ。会社が独立していいよって言ったらするかもしれないけど、今は会社から「もちっと頑張ってよ」って言われてるから頑張っているし、それが僕がやるべきことなんだろうなと思っているんです。

 

今は企業人としての頭が半分、自由人としての頭が半分。美容師としては技術的にはまだまだだと思っているけど、自分としてはやりきった感があるし、満足感を得られているから、いつ辞めてもいいと思っていますね。問題は、そこで求められている満足感をどこのステージで出すのかということだと思います。

 

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さきほどの、「自分が強くなれば、人がついてくる」という発言ですが、そう考えられるようになったきっかけはありますか?

 

今、airの各店舗を回りながらサロンワークをしていて、それがきっかけですね。渋谷店から青山店に行って、麻布十番店、銀座の2店舗、そしてまた麻布十番店。最初は恐怖心しかなかったんですよ。今まで渋谷店にきてくれていたお客さまが場所を変えても、ついてきてくれるんだろうか? って不安になりますよね。実際、一度、半分くらいまで売上が落ちましたけど、やり方を変えたらその当時よりも売上が上がったんです。

 

どのように、やり方を変えたんですか?

 

お客さまに合わせないスタンスに切り替えたんですよね。予約統制をきちっとして自分のキャパを超えないようにして、その分ホスピタリティをしっかりして、値段も上げました。

 

自分が打ち出したいものをこれと決めて、お客さまが求めてくるものをつくっていくというスタンス。ちょうど、ネットが盛んになってきたので、ずっとやっていたから、波に乗っていたというのもあるのですが、「僕はこういうものが好きで、こういう女性が好きで、こういうスタイルを作りますよ」ということを明確に打ち出したら、そういうスタイルを求めるお客さまが集まるようになってきました。そんなこともあって、いろいろなことを「なんだ、やってみたらなんてことなかったね」って思えるようになりました。

 

その機会を与えてくれたのはairだから、airが与えてくれたものを返していくのが僕の仕事だと思っているんです。恩返しという言葉は好きじゃないけど、自分の力を吐き出していくということが僕の現在、やるべきこと。将来のことはわからないけど、今現在ではそう思っているから、僕は独立しないんですってことで、質問の答えになっていますかね?

 

プロフィール
air/LOVEST
ディレクター・IT Dept.Manager
木村 直人(きむら なおと)

ヘアカラーのスペシャリストとして、モデルや芸能人などからも絶大な信頼を誇る。一方で非凡な企業家として顔も持ち、ヘアカラー剤の開発やWEBサイトのプロデュース、オンラインサロンの主宰など、業界内外に数々の仕掛けを打ち出し続けている。

 

(取材・文/池山 章子  撮影/岩本 良介)

 

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