KATE代表 木下公貴さんに聞く、独立のベストなタイミングは? 〜3年間の勉強期間で独立への土台作りができた〜
お客さまと接する時間をもっと増やしたかった
-スタイリストデビュー後の経歴を教えてください。
「26歳になる年に銀座店の店長になったんですよ。スタイリストになったのが遅かったのですが、デビューから間もなく店長になったというのは、異例のスピード出世だったと思います。銀座店では5年間店長として働いて、その頃くらいから、『自分のお店を持ちたいなぁ』と考えるようになりました。
自分のお店を出すと考えたとき、『サロンの場所はどこがいいだろう』と思ったら、今働いている銀座ではなく、青山とか表参道がいいなと思ったんですね。5年間で店長としての結果も思った以上に出せたし、次はこの子にまかせれば大丈夫と太鼓判を押せるスタイリストも育ったので、『今後を考えたいから』と青山店に異動させてもらいました。それから独立するまでの約3年は、店長を降りてエグゼクティブ・スタイリストという肩書きで働いていましたね」
-青山店での3年間の勤務は、独立に向けての準備期間だったのでしょうか?
「お客さまと接する時間を徐々に増やしていくようにシフトチェンジしていった3年間だったんじゃないかな。自分のお店を持ったら、もっとお客さまとじっくり向き合いたい、接客したいと考えていたんですよね。どうしても大きいサロンだと、アシスタントもたくさんいて、それぞれの仕事を任せてしまうことも多いのですが、もっとお客さまとじっくり関わっていけるようなサロンにしたいと思っていたんです。KATEのコンセプトのひとつでもあるのですが、お客さまと一緒に成長していきたい、お客さまと一緒に年を重ねていきたいというのがあって。3年間はそういう環境を徐々につくっていっていました。
-独立したいと考え始めてから3年間働いたのちの独立。この流れを選んだ理由は?
「若い頃に勢いで独立するというのも手だったのかもしれないのですが、僕にとってはこのタイミングがベストだったと思いますね。独立しようと決めてからお客さまやまわりのスタッフと話す内容も、勉強することも変わってきたんですよね。そういった意味では、独立に向けての気持ちの準備期間でした。人よりも経営の勉強ができた分、見切り発車ではなく、しっかりディフェンス部分も学んでいけたかなと思います」